福井信英
1998年12月。当時大学3年生で就職を控えていた私は、今勤めている「ジョブウェブ」で、インターンシップ生として働き始めた。ジョブウェブはまだ会社ではなかったが、会社化を目指して動いている学生団体のような存在だった。
大学生活の後半において、大切なことは全てインターンシップから教わったといっても過言ではない。かといって、インターンシップに取り組むことで学業がおろそかになったかというと、そうではない。
本コラムでは私自身が最後に気付いた「インターンシップの価値」に関して考えていきたい。
私がインターンシップに取り組んだ当初の理由は3点ある。
・いち早く社会に出て自分の力が通じるかどうか試したかった
・ビジネス体験を積んでいることは就職に関して有利になりそうだった
・どうせお金を稼ぐなら、単純作業をやるだけのバイトよりも、知恵を使って稼げるような仕事をしたかった
というものだ。10年前の話ではあるが、「仕事体感」「就職に有利」「お金」と、インターンシップを選んだ動機自体は今の学生の皆さんとそう変わらないものだったのではないかと思う。
当時は、大学3年の12月頃から就職活動が始まり、5~6月には内定が出るというスケジュールだったから、私はインターンシップを就職活動と並行して行うことになった。忙しくはなったが、志望企業を決める際にも、選考を突破する方法を考える際にも、ジョブウェブのインターンシップはおおいに役立ち、5月の連休明けには、無事志望企業から内定をもらえた。
3つの目的のうち、「仕事体感」「就職に有利」という二つの目的は達成できたが、「お金」という面に関しては、納得できるようになるまで時間がかかった。給料が安かったというわけではなく、高かったのだ。なぜなら、私自身にその給料をもらう資格がないということにすぐに気付いてしまったからだ。
昔から、自分には多少自信があった。気合いを入れて私に与えられた仕事、メールマガジンの作成を行なった。
「いいメールマガジンを書いた」
ぐらいに考えて、意気揚々だった。そのメールマガジンを先輩に見せたところ、開口一番、言われた言葉は、
「何コレ。全然、ユーザーの方を向いていない。説明会はキャンセルせずに参加しましょうなんて説教くさいメッセージ、誰も聞きたくないんだよ」
後書きをボロクソに言われ、他にもいくつも指摘をもらった。それらの指摘は全て正しかった。と同時に、年齢・学年的に一年しか違わないのに、どうしてこんなに能力に差があるのかと口惜しく思った。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら