銀行ウーマン、一般職出身でも"働く母の星" 「ありがたくない出世」が、腰掛けOLを変えた!

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幸い、夫は育児に協力的だ。子どもを保育園に送るのは髙仲さんがする約束だが、お迎えは100%夫が担当してくれる。食事を作り子どもに食べさせたり、お風呂に入れてくれたりと、“イクメン”の夫は頼りがいがある。

高仲さんの両親は長野に引っ越してしまったため、簡単に育児の協力を願い出ることはできないが、夫の両親は地元にいるため、いざという時も心強い。

だから、高仲さんは、仕事に心血を注ぐことができる。復帰後1年間は、引き続き担当マネージャー職を継続したが、11年から1年間は、従業員組合の専従職員に就任。年間で100カ店近くの支店を回り、りそなグループの福利厚生や次世代社員の育成支援について、従業員の意見を聞いて回る任務を遂行した。

その後2カ月のトレーニー期間を経て、12年10月からは、福生支店で個人営業のマネージャー職を務める。いよいよ正式な管理職になったわけだ。

手厚い制度を使うか、否か

「正直、残業が相当あります。夜帰っても、寝ている子どもにしか会えない日も、結構ありました。本当にこれでいいのか、子どもがかわいそうじゃないかと思ったこともあります。

でも、不思議なもので、子どもには、私が頑張っていることがちゃんと伝わるんですね。だから、最近は子どもが『お仕事いっぱいしてきてね』だとか『もっと仕事しといで』なんて、励ましてくれるんです」

子どもの応援も得て、今後はできるところまで、個人向け営業としてのスペシャリティを伸ばし、部下を育成していきたいと高中さんは言う。キャリアの階段を一歩一歩上がる用意はすっかりできているようだ。

高仲さんの話を聞いていると、会社が自分に期待してくれる以上は、子育て支援制度を使う以上は、その見返りとして仕事での貢献で返す、という強い覚悟を感じる。

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