銀行ウーマン、一般職出身でも"働く母の星" 「ありがたくない出世」が、腰掛けOLを変えた!

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しかし、この「ありがたくない出世」こそ、その後のワーキングマザー人生に繋がる一歩になった。

会社再生のために、女性を登用せよ

実はこの頃、会社は瀕死状態にあった。02年、あさひ銀行は大和銀ホールディングスの傘下に入り、翌03年にはあさひ銀行の埼玉県内の営業拠点は埼玉りそな銀行に、埼玉県外のあさひ銀行は大和銀行と合併しりそな銀行となった。

そしてついには、同03年、りそなグループは自己資本比率の低下を理由に、2兆円もの公的資金が注入され、一時、実質国有化されてしまう。

そんな中、再建の担い手として招聘されたのが、当時JR東日本の社長だった細谷英二氏(故人)だった。細谷氏は、りそなのトップに就くや否や、大胆な改革に着手。その1つが、女性の積極的な要職への登用だった。

当時、細谷氏は、「男性はエスカレーターに乗っているが、女性は階段を上っている。男性のエスカレーターは止めるからね」と行員に宣言したと言う。

つまり、ただ男性だからというだけで出世してきた男性の給料は引き下げる。その一方で、やる気ある女性は重要な任務に登用し、評価していくということだ。

さらにりそなグループは、女性行員の総合職と一般職の区分を撤廃。専門を法人分野と個人分野に分け、それぞれのプロ人材を育成していく方針に変えた。

その結果、総合職で入行し、支店の融資営業で鍛えた後、本部で法人の渉外を担当して、支店長になるという、これまでほぼ1つしかなかった出世のパターンは、多種多様になった。

高仲さんのように、「個人営業」の専門コースを選択し、そこで評価されれば、一般職出身だろうが部長にだってなれる。自身の専門性を究めたい人は、その道で評価を高めれば、支店長並みの報酬を得ることも可能だ。

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