銀行ウーマン、一般職出身でも"働く母の星" 「ありがたくない出世」が、腰掛けOLを変えた!

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このように、社員それぞれが選んだキャリアコースの「天井」がなくなったことで、行員のモチベーションは飛躍的に上がっていった。高仲さんも、もちろんその1人だ。

やってみたら、向いていた!

高仲さんの場合、支店の窓口業務を通して、個人顧客に喜ばれた経験があったことから、自身の専門を「個人営業」に定めた。

「最初は『私が人のお家に行って投資の相談に乗るなんて…』と、想像も出来なかった。でも、実際やってみたら、事務より営業のほうが向いていた。お客様に、もっと喜んでもらいたい、後輩にももっと育ってもらいたい、もっともっと、と思っているうちに、今に至ったという感じなんです」

高仲さんはそう控え目に言うが、銀行の個人向け営業は、ここ10年、急速に取り扱い範囲を拡大、顧客ニーズも市場変化に合わせて、千変万化してきた。それにキャッチアップするためには、業務以外に勉強も欠かせない。きっと苦労も多かっただろう。

「FP2級、証券外務員といった資格は一通り取得しました。一方で、私は実地での勉強を重視。

FPや資金コンサルタントら専門家に営業に同行してもらった際には、難しい金融用語をどのように言えば、お客様にわかりやすいのか、まねしては吸収し、教科書どおりではない説明を心がけてきましたね」

営業の仕事はお客さんに喜んでもらっている時は、最高に楽しい。反対に、お客さんに不利益を与えたときは、針のむしろだ。それが嫌で、一般職の道を選ぶ女性も多い。

だが、高仲さんは、マーケットが右肩下がりで、お客さんが損を出して不機嫌になっているときこそ、営業の腕の見せ所だと語る。

「お客様からクレームの電話がかかって来る前に、訪問するのが基本。お客様が困っているときこそ、こまめに情報提供することが大事だと思っています」

こうした努力のかいもあり、05年にはマネージャーのサポート的位置づけであるアソシエイトマネージャーに昇進。20代にして部下を持つようになった。昔から、役割が人を作ると言うが、まさにその典型だ。

高仲さんは、部下の育成も「得意ではないが好き」。つまりは、向いていた。

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