「服装に関する指導」は、絶対この1点を誤るな 歪んだセクハラ対策が優良企業をダメにする

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また、こんな例もあります。ある企業で、夏場の白い制服の下に濃い色の下着を着用すると透けてしまうということがありました。女性社員が増えるにつれ社内で気にする人が増え、それを該当する社員に上司がどのように言うのがいいのか、私のところに相談が来ました。

この場合も、回りくどく言わずはっきり事実を伝えることが大切なのですが、該当者が出た後だと言うほうも言いづらいので、ある程度先を想定して基準を明確にし、事前にアナウンスすることをお勧めします。

私服はもちろんのこと、制服の着崩しについても問題になることは多いので、特に冬服→夏服の衣替えの時期、薄着になる季節の節目に、毎年きちんと会社側の意図を説明しておくのが有効です。事前アナウンスをしておけば、その後の指導もしやすいもの。機会をとらえて、職場での基準を明確にしておくことが大切です。

意外と多い「同性同士」の訴え

■ケース4:激励のために肩をたたく

これは案外よくあるケースかと思います。特に同性同士なら躊躇せずに行ってしまうことも多いでしょう。しかし、実際は、同性同士の訴えが実に多いということを知っておいてください。

友達同士なら構いませんが、職場で触れていいのは、基本は肘から指先まで。同性であっても同じです。上司が、「最近どうよ」などと肩をもんでくるのに非常に抵抗感がある、仕事中に後ろから肩をたたかれると「ひやっ」とするなど、本当によく聞かれる声です。

現在アラフィフ以上の世代の皆さんが新入社員だった時代には、「軽いボディタッチはコミュニケーション」と教わってきた方が多いでしょう。その下で仕事をしてきた40代、30代なら、まだ免疫があるかもしれません。しかし現在は、触れられること自体に嫌悪感を抱く人もいます。

認識の違いは、職場の中はもちろん、同じ世代の中にも混在していることを認識する必要があります。大学の体育会出身者などは、若い世代でも「?」と感じる場合が多いかもしれませんが、ビジネスマナーとして心得ておくに越したことはありませんよ。

■ケース5:好き嫌いで態度が変わる

これは、ハラスメントといわざるをえないケースです。人間なので、相性の良し悪しもあれば、好き嫌いも当然あるでしょう。しかし、職場でそれをあからさまに表現するのはNGです。

「対社長」と「対部下」で態度が違うのは当たり前ですが、同じような立場の社員に対して、表情や語調が違う、周りから見て明らかに対応が違うようなら、ハラスメントといわれても仕方ありません。ビジネスの場面で、私情をあらわにするのは避けてください。

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