「服装に関する指導」は、絶対この1点を誤るな 歪んだセクハラ対策が優良企業をダメにする

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ここまでさまざまなケースを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。主に「グレーゾーン」のケースを扱いましたが、だからこそ最終的には、その人との関係性が大きく影響します。信頼関係ができていれば、多少のことで大きなトラブルに発展することはないでしょう。普段からの人間関係構築の重要性も再認識していただけたらと思います。

「あいまいなケース」ばかりではない

また、どちらとも言えないようなケース以外に、現場では、本当に残酷なハラスメントの場面に遭遇することがあります。

「承認をもらえないと先に進まない書類に、なかなか判を押してもらえなかった」「昇格試験を受けるために必要な推薦を、理由もなく断られた」「理不尽な要求で、何度も何度も書類を突き返された」……。

最初は果敢に取り組んでいた職員も、これが続けば気持ちが弱くなってしまい、パフォーマンスが下がります。最悪、心を病んでしまい、その後の職業生活、ひいては人生に大きなダメージを受けることもあります。まじめな方ほど、自分が悪いという自責の念を強く持ってしまう傾向があります。そして、ハラスメントを受けていることに、その場では気づかないことも多いのです。

ハラスメントは、「大人のいじめ」です。「いじめ」がなくなる職場環境を作るのは、一人ひとりの意識改革と思いやりの心にほかなりません。理不尽な扱いを受けていたり苦しいと感じたら、自分一人で抱え込まず、相談できる場所を見つけて話をし、自分の状況を客観的に判断するようにしてください。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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