6~7月は多くの企業が賞与を支給する時期だ。自分の支給明細を見たり、ライバル会社の金額を噂に聞いたりで、心中穏やかではないビジネスパーソンも少なくないだろう。一方、6月から採用選考が解禁となり、就活生は慌ただしい日々を過ごしている。こちらは、「賞与」と聞いても、手にしたことがないからかピンと来ないかもしれない。とはいえ、内定先や志望先がいくら支給されているのかは、やはり気になるところだ。
注意したいのは、待遇を初任給の多寡で判断することだ。企業目線に立てば、仮に数十時間分の残業手当を初任給に含めて高額に見せれば、就活生を引き付けることができるだろう。そんな1カ月分の給与よりも、待遇の実態をよく表しているのが平均年収だ。年収とは12カ月分の給与+残業代合計+年間賞与で構成されるのが一般的。待遇面を比較するのであれば、年間に支給される賞与額がどの程度になるかは、全体のウエイトの中で大きい要因だ。
トップは2年連続、上位に鉄鋼、建設、商社
では、各企業がどの程度の賞与を年間に支給しているのか――。就活生にとって実際の勤め先となる、純粋持ち株会社の傘下子会社や非上場企業も対象にした『就職四季報 2017年版』(総合版)データを基にしたトップ200社をご紹介する。また、上場企業については2016年4月6日に配信した「最新!これが『賞与が多い』トップ500社だ」でランキングを掲載しているので参考にしてほしい。
今回の対象は『就職四季報 2017年版』(総合版)掲載の1260社のうち「賞与年間支給額に回答があった549社」。なおデータは2014年実績のものとなっているので注意してほしい。なお、月給の何カ月分に当たるかを示す基準月数(必ずしも支給額とは連動しない)、平均年収も併記したのでご覧いただきたい。
1位は大塚ホールディングス傘下の医薬品会社・大塚製薬。賞与支給額は371万円で、『就職四季報』掲載会社の中には、この水準が「平均年収」という企業も数社存在している。2位には、JFEホールディングス傘下のJFEエンジニアリングが入った。支給額は355万円で、基準月数は7.4カ月分になる。次いで3位に新日鐵住金(348万円)が入った。トップ3は順位を含め、昨年と同じ顔ぶれになった。また、4、5位にも鉄鋼メーカーである神戸製鋼所(338万円)、JFEスチール(316万円)がそれぞれランクインした。