グローバル化や情報化が急激に進む一方、国内では少子高齢化など人口減少が深刻な問題となっている。先行きに不透明感がある中、大学における人材養成に対する期待感は高まっている。現在進められている「高大接続改革」は、まさに答えのない社会で活躍できる人材養成を目的としている。
同改革の狙いは、高い思考力や判断力、表現力を身に付け、主体性を持って多様な人々と協働してさまざまな課題を解決できる人材の輩出。高大接続改革では、高校時代に素養を育み、その芽を摘まないような入試を行い、大学で総仕上げをするという、三位一体の改革で人材養成を実現させようとしている。
大学にも時代にあった改革が求められているが、それは現状の教育力を見れば将来の大学の姿も見えてくる。では、受験指導にあたっている高校の教諭は今、どのような大学を教育力のある大学として評価しているのだろうか――。全国2000校の進路指導担当教諭にアンケートを行い、750校から回答を得た。その結果を集計したのが「教育力が高い大学」だ。
東京大は地域別でも1位の評価が多い
トップは東京大で2位に大差をつけた。地域ごとの集計でも、「北海道・東北」で東北大、「近畿」で京都大が1位だったほかは、「関東・甲信越」「北陸・東海」「中国・四国」「九州・沖縄」でトップだった。
当アンケートは、評価ポイントが高い順に5大学を連記している。つまり、記入する順番が先にくるほど、高評価ということだ。そうした中、東京大を最初に記入した学校は、回答があった750校中、100校に上る。具体的な評価ポイントをピックアップすると、「最高の環境で研究できるため、学生が自然と伸びていく」(宮城・私立高)、「自ら学ぶ態度をよしとして、学生の主体性を育むことを前面に出している」(岐阜・県立高)、「高い水準の授業を効果的に行うことと、教養を身につけることが両立されている」(奈良・私立高)などが挙げられた。
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