大学通信では毎年、全国約2000進学校の進路指導教諭に「生徒に勧めたい大学」「面倒見が良い大学」といったアンケート調査を実施している。2015年は750校から回答を得た。その中で「生徒に人気がある大学」はどこかを聞いている。5校連記で大学をあげてもらい、最初の大学を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。高校教諭の視点で判断する「生徒に人気がある大学」とはどんな大学なのだろうか。
関西では関関同立より近大が上位に
1位は明治大。ここ10年で早稲田大が8回トップに立っているが、明治大は2013年に続き2回目のトップとなった。2位は早稲田大で、トップを奪われた形となった。両校に共通しているのは志願者が多い大学ということだ。当たり前のことだが、生徒に人気の大学は志願者も多くなる。一般入試志願者ランキングでは、昨年も今年も2位明治大、3位早稲田大の順だ。そもそも、明治大は2010年から13年まで志願者数1位で、今も志願者は10万人を超えている。早稲田大は2009年まで11年連続でトップだった。志願者数は人気のバロメーターになっているともいえるだろう。
一方、2014年~16年と3年連続で志願者数1位の近畿大はどうだろう。今回は14位にランクインしている。2006年の「生徒に人気がある大学」ランキングでは54位だったので、この10年で大きく順位を上げている。関西の有力私立大の関関同立は、16位関西大、17位同志社大、19位立命館大、22位関西学院大となっており、それを上回る人気だ。志願者数増が人気を高め、さらに志願者数も増加――。そんな好循環が生まれていると思われる。
明治大が「生徒に人気がある大学」ランキングでトップになった理由は、やはり大学改革にあると見られる。1998年に駿河台キャンパスに新校舎リバティータワーを竣工、女子トイレにはパウダールームを設けるなど、当時としては画期的な新校舎を建てた。新校舎は女子を集めるのに欠かせない。古い歴史ある校舎では、「トイレが汚そう」「暗くなると何か出てきそう」などと敬遠する女子は少なくない。その後もキャンパス整備は続けられ、周辺の古い校舎が次々と新校舎に生まれ変わっている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら