最近は高校生が大学卒業後の就職を意識するケースが増えている。偏差値や評判だけでなく、将来の就職に役立つかどうかで、大学や学部を決めるのだ。こうした高校生は、どの大学の就職指導が充実しているのかとても気にしていることだろう。今回は、大学通信の情報通信・編集部の安田賢治ゼネラルマネージャーが「就職に力を入れている大学」ランキングに関する調査を基に解説する。
大学通信は毎年、全国約2000進学校の進路指導教諭にアンケート調査を実施し、今年も750校から回答を得た。「就職に力を入れている大学」はどこか、という質問に5校連記で大学を記入してもらい、いちばん最初に記した大学に5ポイント、次に4ポイント……として集計し、ランキング表にまとめた。
近年の受験生の大学選びは、就職を抜きには考えられなくなってきている。高校でのキャリア教育が進み、高校でどの学部を選ぶかをしっかり検討したうえで、志望校選びを行っている。
8割の高校生が就職を意識して大学選定
当然、自分の将来を考えることで、就職への関心が高まっているのだ。昨年の同じアンケートで、「以前に比べて就職を意識して大学・学部を選ぶ傾向は強まったか」を進路指導教諭に聞いたところ、「かなり強くなった」が29.3%、「少し強くなった」が53.8%だった。
この2つを合わせると8割を超える。受験生が就職を意識して大学・学部を選ぶのは、当たり前になってきていることが分かる。
この傾向は2008年のリーマンショック以降の就職氷河期の到来で本格的になってきた。特に不況になると、文系学生の就職が理系学生より厳しくなるため、入試では理系人気が高く、文系の人気が低くなる“理高文低”の状況となる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら