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合格者の学力(偏差値)を基に算出する難易度は、大学の競争力を測る重要な指標となる。難易度ランキングと志願者数の10年前比から、本当に強い大学を見ていこう。なお、河合塾の難易度は2005年に見直され、最大値が「70以上」から「72.5以上」になった。また国公立大と私大では入試方式が異なるため、単純に比較できないことを考慮してご覧いただきたい。
「理高文低」傾向続く 理系は女子増加も追い風
法学系で難易度が最も高いのは東京大学で、2位が一橋大学と慶応義塾大学。新司法試験の合格率の低さや公務員不人気の影響で法学部離れが進み、大半の大学で難易度が下がっているが、上位3校は03年の難易度を維持している。トップ層は減っていないことを裏付けている。
もっとも、ランキング上位の大学でも志願者は減少している。法学離れに加え、国立難関大が後期日程を廃止もしくは定員を削減した影響がある。この影響は、ほかの学部系統でも見られる。早稲田大学の志願者が大きく減ったのは、04年の法科大学院設置の際、学部定員を減らした影響が大きい。
経済・経営・商学系も1位は東大。2位は一橋大の商、早大・政治経済、京都大学・経済が並んだ。大学生の就職難を背景に、文系より理系の人気が高い「理高文低」傾向が続く。この系統も志願者が減少した大学が多いが、難易度は経営や商で上がるところが多い。河合塾教育情報部部長の近藤治氏は「理論が中心の経済の人気はないが、経営や商は公認会計士や税理士などの資格に結び付くことから難易度が上がっている」と分析する。立教大学・経営や明治大学・商は難易度アップに加え、全学部が同じ日に試験を行う「全学部統一日程」の導入などで志願者が50%以上増えた。青山学院大学や同志社大学なども導入しており、受験機会の拡大で学部系統を問わず志願者が増えている。
理高文低でも、グローバル人材の養成を目指す外国語・国際系は人気が高い。1位の国際教養大学は04年の設立と歴史は浅いが、就職力の高さが難易度に表れた。この系統は早大・国際教養や法政大学・グローバル教養など比較的新しい学部が上位に並ぶ一方、1988年に設置された立命館大学・国際関係は難易度が下がった。前出の近藤氏は「同志社大や関西学院大学など周囲の難関大で国際系の新設が進み受験生が分散した影響」と見ている。
「自分の学びたい学問を貫き、景気や社会情勢の影響を受けにくい」(前出・近藤氏)とされる文・人文系の難易度は変化が少ない。早大は07年に第一文と第二文を改組して文と文化構想を設置したため、難易度の比較ができない。
理工系は人気が高く、難易度62.5以上で下がった大学はない。理工系の初年度納入金の平均は、国立大82万円に対して私大は159万円と差が大きく、早慶以外は難関国立大が上位を占める。「理系人気は女子受験生増加の影響も大きい」(近藤氏)。確かに03年と13年の志願者数に占める女子の割合を比較すると、慶大・理工10.2%→13.8%など占有率が上がる大学が多い。
文理融合型は慶大の総合政策や環境情報、京大・総合人間のように文理の垣根なく学ぶ学部と首都大学東京・都市教養のような文系と理系分野を持つ学部の2種類がある。この系統で難易度が最も高いのは慶大・総合政策となっている。
理工系同様に国公立大と私大の学費差が大きい薬学系も国立大が強い。06年に薬学教育6年制となり人気が下がったが、6年制の最初の卒業生が出た12年の就職状況が好調だったため志望者が増えている。ただ、資格志向を背景に人気が高かった03年と比べると、難易度62.5以下はすべて変動なしかダウンとなった。
社会・社会福祉系では一橋大と早大がトップ。早大・社会科学は09年に昼夜開講制から昼間部になって難易度が上がった。社会福祉系の人気は低いが、上位校の難易度は下がらない。心理やスポーツ、起業などの学科が設置された影響が大きい。
就職に強い資格が取得できる看護・医療技術系も人気が高い。難易度は慶大・看護医療が抜けている。学費が高い私大が数多く入ったのは、病院に一定期間勤務すると返済が免除されるなど、奨学金制度が充実していることがある。看護系の志願者は増えているが、設置大学が92年の9校から12年は180校に急増したため、難易度が下がる大学が多い。
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