2位は金沢工業大学だ。面倒見の良い大学として知られ、入学後の学生の伸びは目覚ましいとの評価が高い。地元の高校の進路指導教諭がこう話す。
「それほど成績の高くない、やる気もあまり見られないような生徒が、金沢工業大学に進学すると、4年後には見違えるほどになり、大手企業に就職したケースも少なくありません。きめ細かな教育が学生を大きく変えて成長させているのでしょう」
3位は立命館大学、4位は法政大学、5位は昨年の10位から躍進した日本大学だ。大規模大学が上位を占めているが、そんな中で6位に入ったのが産業能率大学だ。経営と情報マネジメントの2学部の小規模大学だ。
文科省が推奨するアクティブラーニングを実施してきた草分けとして知られるなど、教育力に定評がある。アクティブラーニングは教室で講義を聞くだけではなく、グループワークやプレゼンテーションなどを通して、学生が主体的に学んでいく双方向授業のことだ。
そのほかにも社会と連携した授業を展開している。例えばプロ野球のDeNAベイスターズのイースタンリーグ公式戦のファンサービスイベントを学生が考え、運営を行っている。こういった教育が、就職力アップにつながっている。
国立大では7年連続で福井大がトップ
また、上位には実就職率が高い大学も多い。卒業生1000人以上の大学を対象にした実就職率ランキング(就職者数÷<卒業生数-大学院進学者>×100)トップの金沢工業大が2位に入っている。
同じく実就職率ランキング2位で国立大トップだった福井大学が13位だ。福井大は7年連続国立大トップ。その上、大学によると在職3年以内の離職率は、全国平均の31%を大きく下回る7.1%だ。就職率アップのために無理に就職させているわけではないことがはっきり分かるだろう。
同じく実就職率ランキング8位の九州工業大学が11位、4位の芝浦工業大学が17位、9位で女子大トップの昭和女子大学が19位、6位の大阪工業大学が27位などとなっている。実就職率が高い大学は理工系の大学が多いが、その評価も高い。
今や就職は、昔のように個人で進めるものではなく、大学のキャリアセンターなどのサポートを受けて進めるものに変わってきている。ただ、サポートだけで就職が決まるほど甘くはなく、希望の企業に就職するには大学でしっかり学んでおくことも大切だ。
成績だけでなく、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も求められる。大学生活をしっかり送ることが、就職への近道なのかもしれない。
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