毎年さまざまな形で「大学の就職力ランキング」が公表されている。評価基準を見ると、「就職率」に始まり、「人事担当者へのアンケート」「主要企業への就職人数」など調査ごとに異なるし、これらを組み合わせるランキングも存在する。いずれもそれぞれのデータを基にした理にかなった結果をとっているが、逆に言えば絶対的な基準がないことの裏返しでもある。そこで、『就職四季報』(総合版、女子版、優良・中堅企業版が発売中)データを使った、新指標による「大学の就職力」ランキングを初作成してみた。
就職四季報(総合版)には、さまざまな業界の大手企業を中心に、編集部が厳選した会社データや労務データがギッシリ詰まっている。もちろん採用データも充実しており、たとえば【採用実績校】欄には採用校(大学院を含む)とその人数を掲載している。採用実績があるということは、少なくとも先輩社員に大学OBがいることを意味する。そして、その大学が採用のターゲット校・重点校に入っている可能性が高いと見ることができる。つまり採用実績のある会社が多いほど「多くの会社に就職しており、選択肢が多い大学」と判断できる。
今回、掲載全社の採用実績から、各大学が会社の採用実績にどれだけ登場しているかを集計、トップ200大学のランキングを作成した。なお、大学別の採用人数の多寡は考慮にいれていない(10人採用でも、1人採用でも同じ扱い)。このため、学生数が多い大学ほど採用実績のある会社が多岐にわたり上位になる傾向がある点をご了承いただきたい。表には、順位、学校名、実績社数に加え、『女子版』および『優良・中堅企業版』の順位、学生数も付けた。
1位は早大、2位明治、3位同志社
1位は早稲田大学。言わずと知れた私立の名門校。13学部を有し、大学院生含め5.2万人の学生数を抱える規模だ。採用実績のある社数は670と、回答会社(1163社)の6割に迫る。業種別に見ると、早稲田大学の掲載率が最も高かったのは、電力・ガスなどのエネルギー(77.3%)。一方、最も低かったのは、外食やスーパーなどの小売(36.8%)だった。
2位には明治大学がランクイン。こちらも596社と、回答のあった会社の過半が採用している。大学通信の調査「就職に力をいれている大学ベスト100」でも6年連続のトップで、「就職の明治」との呼び声も高い。次いで3位に同志社大学、4位に立命館大学と関西私立の雄といえる2校が、そして5位には法政大学がランクインした。トップ5の顔ぶれは難関私大として括られることが多い、いわゆる早慶MARCH・関関同立クラスの大学となった。
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