大学通信は毎年、全国約2000進学校の進路指導教諭にアンケート調査を実施しており、昨年は750校から回答を得た。その中で「小規模だが評価できる大学」はどこかを聞いた。5校連記で大学をあげてもらい、最初の大学を5ポイント、次を4ポイント……として集計した(小規模大学の基準は各教諭の判断による)。
高校の進路指導教諭は 進学した卒業生から大学に関する情報を得ていることが多い。自ら出向く大学数は限られるからだ。近年は卒業生が母校を訪問し、大学での授業内容、大学選び、受験勉強の方法など、進学にかかわるさまざまなことを後輩の高校生に話をする機会が増えている。
昔より母校と卒業生の関係は密になっているため、進路指導教諭は卒業生から大学情報を直接手に入れている。以前は大規模大学についての情報を持っていても、小規模大学についてはわからないという進路指導教諭も多かったが、最近は小規模大学の状況についても詳しく知っているケースが増えている。
企業からも評価の高い国際教養大学
トップは国際教養大だった。秋田にある公立大で国際教養学部国際教養学科の単科大だ。2004年に開学した新しい大学で、授業はすべて英語で行われ、在学中に1年間の留学が必須だ。
1年次は全学生が外国人留学生と一緒に寮生活を送る。留学生が多いこともあり、24時間オープンの図書館もある。
「他大学にはないカリキュラム」(群馬・県立高)、「面倒見が良いこと。面倒見の良さは就職の世話ではなく、学生の力を伸ばすことで、そのために学生のニーズに応え、これをいち早く実践した」(愛知・県立高)、「学生が遊んでいない」(東京・都立高)など、進路指導教諭からの評価は高い。
現在、多くの大学で実施されるようになってきたグローバル教育の草分けといえる大学で、5年かけて卒業する学生も多いが、有名企業に多くの卒業生を送り出している。企業の採用担当者は「小さな大学なので、卒業生は多くはありませんから応募者は少ないのですが、やはり優秀で全員採用したいほどです」という。
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