最新!「大学就職率ランキング」トップ300 97~52%と格差歴然、少人数270大学も公開

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昨年末に「楽天 みんなの就職活動日記」が主催して開いた就活イベント(撮影:大澤 誠)

3月に入り、今年も就職活動がスタートした。主要なオフィス街を中心に真新しいリクルートスーツに身を包み、どこか不安げな面持ちで説明会や企業訪問に奔走する学生の姿が、これから目に付いてくるだろう。

2015年は全体の就職率が84.4%に上昇

1年前を振り返ると2015年の新卒大学生の就職状況は大幅に改善した。大学通信の2015年調査による570大学の集計では、就職率は84.4%。79.4%だった2013年、81.6%だった2014年から一段と上昇。足元は不安定な金融資本市場の動きが、今後の日本経済に与える影響が懸念されるものの、ここ数年は株価上昇や円安に伴う景気の回復に加え、若年人口の減少もあって、企業はなるべく優秀な若い人材を囲い込もうと躍起になっている。

そうはいっても、どの大学もこの恩恵を享受しているワケではない。東洋経済オンラインは今回、大学通信の協力を得て、各大学の就職率の高い順でランキングを作成した。昨年の同時期にも卒業生数の多い順(大学院進学・修了者含み450人以上)で上位300大学のランキングを紹介、今回もその最新版(今回は同441人以上)を掲載する。

加えて、番外編として卒業生の多くない270大学(同440人以下)のランキングも参考値として紹介する。昨年のトップ300大学ランキングの掲載後、各方面からの問い合わせや意見が多数寄せられたことに対応するものだ。少人数で専門性の高い大学で数字が高いケースは少なくないが、あくまでも単純な就職率の大きさだけに目を奪われないように、卒業生数との対比なども踏まえて是非を判断いただきたい。

大学通信は、各大学の就職課の回答した数値から就職者数÷(卒業生-大学院進学者)で算出した「実就職率」を集計値に使っており、今回のランキングもそれを採用している。女子の就職率も同じ基準で併載した。女性活躍推進が世で叫ばれる中、女子の就職率は85.3%と全体よりも高い。

これらの就職率の差は、大学入試の学部志望動向に大きな影響を及ぼしている。受験生や保護者が、就職を重視した志望校選びを行っているからだ。専門性が高かったり、資格が取れたりすることで就職に有利な理系の人気が高い傾向がある。

「女性活躍推進」の流れも反映か

最新版のトップは長岡技術科学大学の97.0%。2位はノートルダム清心女子大学(96.4%)、3位は藤田保健衛生大学(96.3%)が続いた。長岡技術科学大学は理工系、藤田保健衛生大学は医療系といずれも専門性の高さが強みだ。ノートルダム清心女子大学は英語英文学科や日本語日本文学科などの文系を特徴とする大学ながら、女性活用をにらむ企業を中心に教育・学習支援・医療・福祉やサービス業関連への就職決定者が多いようだ。

上位には地方の国公立大学の姿も目に付く。これらの大学では地元企業への就職例も少なくないという。企業の本社機能が大都市に集中しているため地理的にハンデがあり、その分の危機感が強い。理工系の工業大学や、医療・社会福祉系、薬科系などの特色を持った大学は、総じて就職に強い。これに対して法、経済など伝統的な文系学部のある大学は、苦戦傾向がある。芸術系など特殊な分野の大学も下位に目立った。

昨年の記事でも述べたが、就職を考えながら、大学・学部を選ぶことは当たり前になってきている。大学の支援なくしては、就活もままならないのが今の多くの大学生だ。就職率、就職先の検討も大切だが、大学の就職へのサポートをチェックしておくことも必要になってきているといえそうだ。

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