少し気が早いかもしれないが、12月に入ると多くの企業や役所で冬のボーナス(賞与、一時金)が支給される。今年の年収がだいたい確定するタイミングだ。経団連が10月末に発表した主要74社の今年の冬のボーナス支給額は1人当たり平均で91万0697円と、昨年の同調査から2万7675円増えた。統計を開始した1981年以来の過去最高という。
「今年は年収が上がりそうだ」と確信している人も少なくないかもしれない。一方で、給料は働いているかぎりずっともらい続けるものだ。短期的ではなく積み上げて考えてみないと、給料の本当の差は見えてこない。
東洋経済オンラインはそんな問いへの答えを出すため、会社に新卒で入社して定年まで働いたときに取得できる総額である「生涯給料」のランキングを作成。最新結果をまとめた。
今回の対象としたのは上場企業約3600社のうち、単体の従業員数が30人に満たない場合や、平均賃金の発表ない企業を除いた3239社。最新の有価証券報告書(2014年6月期~2015年5月期)の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成25年度賃金構造基本統計調査」を基に試算した。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるた め、単体の年収数字となっている。そのため純粋持ち株会社の数字を使用していることをあらかじめお断りしておきたい。純粋持ち株会社は本社の中枢機能を担 う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある。従業員数30人以上であれば原則、掲載している。
平均の生涯給料は2億1765万円
上記の条件を満たしたうえで、生涯給料が多い順にトップ500社をランキングとしてまとめた。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。対象企業の平均生涯給料は2億1765万円。母数がやや異なるものの、昨年同時期のランキング(2億1350万円)に比べて415万円増えた。マクロな景気、雇用環境の好転を実数字としても反映した格好となった。
調査対象企業の平均値にも近いが、生涯給料2億円は一つの目安とされる。その5割増しの3億円超は約180社と全体の約5%程度で、同2倍の4億円以上となると25社となり、同1%以下に絞られる。本ランキングは昨年同時期にも2014年版を公開している。1年前と順位が変動しているケースも多いので、併せてご覧いただきたい(2014年版のランキングデータはこちら)