生涯給料ワースト500社ランキング2015 1億円未満は7社、地方企業目立つ

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積み上げて考えると大きな差が出ます(写真:bee / PIXTA)

今年も師走を迎えた。この時期は多くの企業や役所で冬のボーナス(賞与、一時金)が支給される。年末調整の準備が進む職場も多く、今年の年収がだいたい確定する時期になってきた。

一方で、給料は働き続けているかぎり、ずっともらい続けるもの。これを積み上げて考えてみることで、本当の差が見えてくる。会社に新卒で入社して定年まで働いたときに総額ではいくらになるのか、東洋経済はこれを「生涯給料」と定義している。

東洋経済オンラインが11月10日に配信した「最新版!『生涯給料トップ500社』ランキング」には多方面から大きな反響が寄せられた。あくまで推定値ながら1位は6億円超となり、高給企業に勤めていると生涯にわたって稼ぐおカネも大きくなることを示した。

一方で、今回はそれとは逆に「生涯給料が低い」会社のランキングを作成した。企業や読者の一部から「トップ500でランキングをすると、まるで500位が低いように見える」「給料の高い会社ばかりではなく、高くない会社の情報も知りたい」という指摘があり、それに応える意図もある。

今回の対象としたのは上場企業約3600社のうち、単体の従業員数が30人に満たない場合や、平均賃金の発表ない企業を除いた3239社。最新の有価証券報告書(2014年6月期~2015年5月期)の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成25年度賃金構造基本統計調査」を基に試算した。

1億円未満は7社、ワースト500位でも1.7億円

グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるた め、単体の年収数字となっている。そのため純粋持ち株会社の数字を使用していることをあらかじめお断りしておきたい。純粋持ち株会社は本社の中枢機能を担 う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある。従業員数30人以上であれば原則、掲載している。

あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。対象企業の平均生涯給料は2億1765万円。調査対象企業の平均値にも近いが、生涯給料2億円は一つの目安とされる。その半分の1億円に満たないのが7社。ワースト500位でも1億7000万円程度と2億円には届いていない。

利益率の高くない事業を手掛けていたり、業績が苦しかったりと生涯給料が高くない会社の事情はそれぞれだ。地方の会社または、本社は大都市でも活動の主要拠点を地方に置いている会社も少なくない。ただ、地方の場合は給与が大都市より低くても、家賃や食料費などの物価が安く、生活水準をみるとそれほど悪くないケースも少なくない。

生涯給料について:各企業が発表した直近決算の有価証券報告書に記載された平均賃金と平均年齢を基に推計。推計に使用した賃金カーブ(賃金の伸び率)は厚生労働省が調査・発表している「平成26年賃金構造基本統計調査」の5歳刻みの賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとの賃金カーブを算出。その賃金 カーブを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算。(データ出所:各社の有価証券報告書(2014年6月期~2015年5月期)、厚生労働省「平成26年 賃金構造基本調査」を基に東洋経済が作成。 
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