長年医学部受験の指導をしていて、思うことがある。それは、一般の国公立医学部に合格するレベルはともかく、東大の理科Ⅲ類に合格していく人は、いったいどんな人物なのか……ということである。
仕事柄、複数人の東大理Ⅲ出身者を知っているものの、正直、いまのところこの謎は解明できていない。私の専門は治療行為論だが、それとは別軸で、いま最も強く興味を持っているテーマと言ってもいい。
多くの人が面白がった問題に「物言い」がついた!
このような思いを強くしたのには、実はワケがある。昨年12月のこと、私は東洋経済オンラインに「難関に受かる生徒の素質は、この4問で見える」という記事を書いた。その中に問1として、以下の出題を示した。大きな反響をいただいた記事なので、覚えておられる方もいることだろう。
本問の原案は、実は数十年前に中学受験を控えた受験生のお父様から尋ねられたものだった。答えは、1秒間にこの細菌は2倍に増殖するのだから、この細菌が1分39秒で容器をいっぱいにするのならば、その1秒前の1分38秒に容器の半分に増加しているというものである。なかなかトンチの効いた問題だ。
この記事を読まれた多くの読者の方は、普通に面白がってくれたようだった。ところが、である。記事を出した後、この問題に関して2人の方から私のサイトに連絡があった。「物言い」がついたのだ。
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