「真に頭がいい人」は課題の眺め方が全然違う この問題の「違和感」に気がつきますか?

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〈問題〉
ある細菌は、1分間たつと、2個に分裂し、また1分たつと、そのそれぞれが分裂し、合計4個になる。こうして1個の細菌が瓶にいっぱいになるのに1時間かかるとする。同じ細菌を、最初2個から始めると、瓶にいっぱいになるまでに何分かかるか(答えは59分)。

 

本書の問題も一応検証してみたい。1時間(60分)で容器をいっぱいにするのだから、私が出題した問題よりやや小さい規模で済むだろう。とはいえ、2μ㎥×2の60乗だから、ざっと計算してみても1Lのビンにして2000個以上。普通に考えて「容器」などとはとても言えない。そういう点では、やはりこちらの問題も非現実的だったったわけだ。

別次元・別回路で急速回転している?

話を東大理Ⅲ生に戻そう。研究不足でまだ実像ははっきりしないが、今回の一件で推測できることは、現時点ではおよそこんな感じだろうか。

1. 固定観念にとらわれずに物事を論理的に考えられる。ちっぽけな細菌でも、「ちりも積もれば山となる」ことを理解できる。
2. 計数感覚に優れている。計算が速いのみならず、「1mm=1000μm」など単位の変換が迅速である。
3. 目の前の現象を、素早く、具体的にビジュアル化できる。ちっぽけな細菌でも、99回も分裂すると、とてつもない体積になることが直感で想像できる。
4. 与えられた問題をさまざまな角度から検証・把握することができる。与えられた素材を頭の中でくるくる回している感じ?

 

もちろん、1事例だけをもってある集団に属する人間の能力を類型化することはできないであろう。ただ、東大医学部生のある者の思考力は、われわれのそれとは別次元・別回路で急速に回転しているのではないか。興味深い話であり、さらに研究と取材を続けていきたいと思う。

医学部入試に関する情報は小林公夫オフィシャルサイトでも随時紹介しています。参考にしてください。

 

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