「謎の小論文」があぶり出す、受験生の"本性" 凍り付く学生が続出、話題の「奇問」を検証

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毎年恒例となりつつある順天堂大学医学部の「謎の小論文」。どうアプローチする?

昨年の「週刊東洋経済」3月21日号の特集で、順天堂大学医学部入試で出題される小論文について論評した。ロンドンのキングス・クロス駅構内で、下を向きながら階段を上る、長いコートを着た男性。その写真を見て、800字で論じるというものである(詳しくはこちら:「コートの男」で小論文…何を書けば受かる?)。

この問題は何とも不思議な印象を醸し出していたが、今年はさらなる「変化球」を投げ込んできた。冒頭写真がその問題用紙。窓枠に顔と手を押しつけて何かを真剣に眺める子どもの写真が素材なのである。

写真に添えられた設問文を読むと、「Vivian Maierが撮った1950年代のアメリカの写真です。彼の前にはどのような世界が広がっていると思いますか。800字以内で述べなさい」とある。彼は一体何を見つめているのか。そして、この写真で一体何を書けというのか。

問題を前に固まる受験生が続出

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この問題を持ち帰った受験生を含め、実際に同校を受験した複数の受験生に聞き取りをすると、「ここの小論文は毎年難しいが、今年は特に難しかった」「まったく何を書いていいかわからず、書き出すまでに10分以上固まってしまった」などの感想が寄せられた。

確かにわかりやすい糸口はない。受験生への取材を進めてみると、写真の客観的描写を長々と書くだけで、実体のあることがあまり書けていない生徒が多かったことがわかった。

しかしながら、考えるヒントがこの写真になんらないわけでもない。以前も申し上げたが、この種の問題には数学の方程式のように定まった解があるわけではない。1枚の写真を見て感じるところは人それぞれであり、多様であっていい。医療のネタを意識し披露することも、必須ではない。

ただ、答案の方向性としてひとつ重要な視点がある。それは、本問が医学部入試の一環で実施されていることである。当たり前だが、医学部入試は受験生の医学部への入学を許可するか否かを判断するための試験であり、ここだけは譲れない。そして、小論文試験がその適性を探るのに一役買っているとすれば、医師に向いていないと判断されるような文章を書くのはご法度だ。

では、どのような方向性を持って小論文をまとめるべきか。まずは「医師に必要な能力・資質」という概念から考えてみたい。

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