復調ソニー、5年目・平井社長に株主から注文 少ない女性管理職と高い広告宣伝費に課題

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――経営者の皆さん、ソニーの経営再建、配当ありがとうございました。これからも高収益会社としてがんばってほしい。質問はというと、ソニー商品は、若い人と女性の感性に訴えるモノが多い。そういった中で、11人の執行役の中に女性がいないようだが、女性の従業員数と管理職比率、女性を戦力化するプランをどう考えているか。

安部和志執行役員:ソニーでは多様性を競争力の一つと考えている。特に女性の活躍の場の提供は、経営戦略上、特に意識している。ソニーにおいては約17%の社員が女性で、管理職に占める女性の割合は約7%だ。エンジニアリングのバックグラウンドを持つ女子学生の母数が比較的限られている中で、業界の中でも女性活用を推進していると認識している。今回新たに、執行役員(執行役より権限の小さい現場の責任者)に、新たに女性が加わり、執行役員32人中、2人が女性執行役員になった。さらに多様性の推進を進めていく。

デバイスは赤字だが、中長期で成長狙い

――モバイル、デバイス事業は構造改革で改善していると言うが、中国・韓国との競争は激しさを増している。そういった中で、全社で2017年度の営業利益目標5000億円に、この2事業はどう貢献できるのか。

吉田CFO:モバイル事業はご指摘の通り、2015年度大きな赤字を計上した。ただ、この赤字の中には、構造改革を進めるための赤字が含まれている。今年度については。大きく規模を追わず、高付加価値商品に注力することによって、黒字化を目指す。2017年度についても利益貢献はあると認識している。デバイスについては、2015年度はモジュール事業やバッテリー事業で減損があったこともあり、赤字となった。今年度については熊本地震の影響で赤字が続く見通しだ。長期的にはデバイス分野、特にソニーが技術的に強みのあるCMOSセンサーについては、利益貢献ができると考えている。

平井社長:ソニーでは、デバイス事業の中で一番大きいビジネスがイメージセンサーだが、IoT(モノのインターネット)化が進んでいく中で、スマホ以外にも、さまざまな機器においてセンサー技術が重要視されてくるだろうと思っている。地震の影響などで期待にお答えできない数字になってしまったが、デバイスビジネスは長いスパンで見ると、大きな貢献をしてくれるビジネスになる。

――事業ポートフォリオ上、売上高の65%程度をエレクトロニクス事業が占めるが、その中で営業利益10%を超えている事業は、IP&S(主にデジタルカメラ)事業しかない。取締役のバックラウンドを見ると、エレクトロニクス企業の運営を実際にしている人が少ない。なぜエレクトロニクスに造詣の深い人を取締役に入れないのか。できれば、取締役会議長で指名委員会議長でもある永山治さん(中外製薬代表取締役会長)から、お話を伺いたい。

平井社長:ただいまの質問に関しては、私から回答する。技術のソニーと言っているので、技術に対する取締役会での議論も、非常に重要だと思っている。その中で、エンジニアリングのバックグラウンドは、特に重要だと思っている。取締役候補のうち、原田(泳幸)、伊藤(穰一)、(ティム)シャーフの3人は、技術系の経歴を持っている。私たちのエレクトロニクスビジネスの進むべき方向性の議論を、取締役の皆さんと活発にさせて頂いている。 

田嶌 ななみ 東洋経済 記者

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たじま ななみ / Nanami Tajima

2013年、東洋経済入社。食品業界・電機業界の担当記者を経て、2017年10月より東洋経済オンライン編集部所属。

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