シャープ、最大7000人リストラの真実味

債務超過で社長交代、波乱の再出発

「必死にあがいた3年間だった」と高橋興三社長。6月末予定の鴻海による出資完了をもって退任する(撮影:梅谷秀司)

「グローバルで最大7000人程度の人員削減」――。

シャープが5月12日15時過ぎに発表した2016年3月期(15年度)の決算概要資料にはこう明記されていた。しかし、その資料は1時間も経たないうちに削除され、該当箇所は「グローバルでの人員適正化」に書き換えられた。2016年3月末現在、シャープの連結従業員数は4万3511人。その16%にあたる人員の削減は大きな経営判断だが、同日の決算会見で言及されることはなかった。

鴻海からシャープ全従業員へのメール

同じ頃、鴻海精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長と戴正呉副総裁が連名でシャープの全従業員宛てにメールを送信。その中で「シャープの経営に対する直近の調査で、遺憾ながらも従業員の削減というコスト削減策を実施しなければシャープは経営改善を果たせないということが明らかになった。(人員削減の)プロセスは責任を持って慎重に行われると保証する」とした。

このメールは、対象となる事業部門・地域や削減人数については言及していない。シャープは会見で、早期に給与削減を廃止し、黒字化すれば賞与も回復させるとの方針を示したが、前述のメールはこれらの賃金政策も人員削減の実施が前提になるとしている。人員削減はどのような規模になるのか。シャープ再建をめぐる混沌は依然として続いている。

シャープの2016年3月期業績は営業赤字1619億円、最終赤字2559億円となり、2期連続で赤字を計上、負債額が総資産額を上回る債務超過に転落した。企業の存続については、銀行が支援継続を表明しているほか、「鴻海グループとの戦略的提携により出資が見込まれるだけでなく、強固な取引関係の確立が図れる」(高橋興三社長)ため、問題ないとの見解を示している。鴻海からの出資は6月末までの払い込み完了を目指すとしており、実現すれば債務超過は解消され、上場は維持される。ただ、東京証券取引所の上場基準により、二部に指定替えになる見込みだ。

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