鴻海テリー・ゴウが残した「日本人への伝言」

シャープを買った男は京都で何を感じたか

4月2日、契約調印後に開いた懇親会の「テリーさんを囲む会」にて。右がテリー・ゴウ董事長、左がシャープの高橋興三社長(撮影:ヒラオカスタジオ)

台湾の鴻海精密工業とシャープは4月2日、買収契約に正式調印した。鴻海による買収額3888億円(出資比率66%)は10月5日を払い込み期限としているが、両社の間では早くも経営再建を目指す動きが加速している。鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長は4日、奈良県天理市のシャープ天理工場でシャープの技術系幹部らと会議を開き、「IGZO」液晶の生産拡大計画について議論した。

垂直立ち上げの勢いで再建プロジェクトが動き出したその合間を縫って、ゴウ氏は3日、同行していた実母や妻、子女らとともに京都に足を伸ばしている。嵐山などをめぐり、花見と寺社見物を楽しむのが目的だ。行く先々で数多くの日本人から激励の言葉をかけられたというゴウ氏は、「私の気持ちをぜひ日本の皆さんに伝えてほしい」として東洋経済オンラインに「日本人への伝言」を寄せた。内容は以下の通り。

深い感情と期待を感じ取った

「今回の調印を受け、シャープの高橋(興三)社長をはじめとする関係各位に感謝するとともに、私自身の責任の重さも深く感じております。

台湾の清明節(お盆)休みを利用し、京都を訪問したところ、多くの年輩の日本人観光客から、シャープの再建に対する温かい応援の声をいただきました。言葉こそ完璧には通じませんでしたが、その眼差しと心から、日本人のシャープに対する深い感情と、私に対する大きな期待を感じ取りました。深く感動するとともに、大変光栄に受け止めています。先に述べた責任の重大さをなおいっそう肝に銘じ、しっかりと頑張る所存です」

国内の電機メーカー本体が外資傘下に入るのは初めてだ。シャープ関係者や世論の中には、今回の買収を否定的にみる向きがあるのは事実で、だからこそ京都での出来事にゴウ氏は感激したのだろう。こういった否定的な声を退けるには、とにもかくにもゴウ氏が経営手腕を発揮し、一日も早くシャープを再建してみせることに尽きる。

ゴウ氏は5日夕方、空路で台湾に帰国する。

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