復調ソニー、5年目・平井社長に株主から注文

少ない女性管理職と高い広告宣伝費に課題

――ソニーは広告宣伝費が日本で最も高い会社だと聞いている(参照:「最新!広告宣伝費トップ500社ランキング」)。事業規模でソニーを上回るトヨタ自動車よりも広告宣伝費をかけているが、作っている製品は若者向け中心なのだから、若者が読まない紙媒体に多額の広告費を使う必要はないのではないか。

吉田憲一郎CFO:2015年度の広告宣伝費は前年度比マイナス12%の3913億円。大変大きな額だと認識している。うち6割が映画・音楽、ゲーム事業に充てられている。映画は広告宣伝が業績に影響するため、コストがかかっている。ご指摘のあったデジタル媒体についても、積極的に展開している。ここ数年、事業が厳しかったエレクトロニクス分野については、メリハリを付け、削減をしながら広告効果を上げる、という取り組みをしている。

平井社長:個々の映画やゲームのタイトル、エレクトロニクスの商品の広告宣伝も重要。ただ同時に、ソニー自体のブランド、「S・O・N・Y」のブランド価値が近年下がっているんじゃないか、という指摘を受ける。そのため、広告費全体を押し上げるわけではないが、ソニーのブランド価値を高める費用を割いていかないといけない、と考えている。

スマホは高価格帯モデルで訴求する

スマホは高価格帯、デバイスはセンサーで、ソニーらしさを追求していく(撮影:尾形文繁)

――ソニーのスマートフォン(スマホ)「エクスペリア」は、海外では販売が小さい。スマホ市場自体が飽和状態になる中で、今後どうやってエクスペリアを続けていくのか。

十時裕樹執行役:スマホ事業は商品の差異化が難しい普及価格帯ではなく、高価格帯モデルに注力する戦略を今年度から改めて採っている。これにより、売上高は減少しているが、利益率は向上している。また、エクスペリアのコアファンに対して、特にカメラにおいて差異化を果たした製品を発表し、訴求していきたい。

平井社長:現在のスマホ市場は約10年前にできたが、将来的にも人と人とのコミュニケーションの需要はあると思う。スマホの次に、どういうツールでコミュニケーションを行っていくのがいいのか、どんなデバイスが必要なのか、どんなビジネスモデルが必要なのかという、スマホの次にくる世界を経営陣で議論している。そこでソニーがリーダーシップを取れるよう、市場形成をしていきたい。

――取締役11人のうち、8人が社外取締役というのは、多すぎるのではないか。

平井社長:執行役が実際に経営の現場を指揮し、リーダーシップを発揮して、各ビジネスの判断を担っている。それを監督する形で、株主様に代わって間違いを是正するのが、取締役の役割。日々の経営判断は執行役に任されているが、監督する立場の取締役は社外が多い方が望ましい、と考えている。

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