採用人員を内定式までに確保したい企業としては、知りたいのは「最終的判断はいつするのか」という点です。しかし、A君は「本当のことを言っていいのだろうか。就活を続けると言ったら、心証が悪くなるのではないか」と気にするあまり、今後の動向に関する意思確認を、「オワハラ」だと受け止めてしまったのです。
複数の企業からの内定を、いつまでもキープしたままにして就職活動を継続することは、相手企業にもほかの就活生のためにもよくないとわかっていても、なかなか決めきれない就活生もいます。
「ほかにもあったかも?」と内定ブルーに
1つは、どこにしたらいいのか、本当に決め手がない場合です。もう1つは、「もっとイケるかも」「粘ればほかにもあったかも」と迷い始めてしまうケースです。
B君は、本命だったXグループの関連会社から内定をもらって非常に喜んでいました。しかし、同じゼミの友人C君が、同じXグループの親会社から内定をもらっていることがわかり、気持ちが揺らいでしまったのです。
B君とC君の内定先では、事業内容が違います。本来、志望していなかった業種のはずですが、内定が出て心に余裕が生まれたことで、これまで検討していなかった企業や業種にもチャンスがあったのではないかと、思い始めてしまったのです。
まだ出会っていないだけで“ほかにもっといい人がいるのかも”というマリッジブルーならぬ、“内定ブルー”とも言える症状です。しかし、第1志望だった内定先をキープしながらの就活に本腰が入るはずもなく、結局B君はあっちこっちをのぞいてみただけで、終わったのです。
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