松下幸之助は「宗教」をみて「経営」を悟った

どうして宗教は盛大で力強いのか

商売をするものの使命とは何か。松下幸之助は「悟り」へのプロセスを語ってくれた(写真:東洋経済新報社)

正しい方針を確立するためには、その背後に、使命感というものが必要とされる。

経営を進めていくには使命感と、それに基づいた方針というものが極めて大切であると、松下幸之助は執拗なまでに指摘している。なぜ会社が存在するのか、どのような使命をもって存在しているのか――という使命感。それを前提にして、どのような考え方(基本理念)で経営を進めていくのか、何を具体的目標にするのか、どこを理想として進もうとしているのか――という方針。それを確立することを、強調してやまなかった。

経営者の心がまえとして要求されるものとは?

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私は、夕方に松下のところを訪ねることが多かったが、夕食を終えた松下と二人でテレビを見るでもなく見ているようなときに、松下はなにげなく思いつくままに話しかけてくれることが多かった。

「経営者の心がまえとして、要求されるものはいろいろあると思うけれども、いちばん肝心なものというならば、経営についての使命感というものやな。基本となる使命感を、どの程度に持てるか、どの程度に自覚するかによって、経営のいっさいに変化が生じてくるからな」

とはいえ松下といえども、事業を始めた当初は、経営をいったいどのように進めていけばいいものやら、見当もつかなかったという。

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