東大とハーバードの入試について論じる前に、まずは日本の高校生の進路状況を説明しておこう。
現在、日本の18歳人口は、1学年約120万人程度で推移している。そのうち大学に進学するのが約60万人で、大学進学率は5割。進学先の内訳は、国公立大が13万人、私立大が47万人となっている。
入試の種類は、昔は一般入試(筆記試験)がほとんどだったが、近年は、推薦入試とAO(アドミッションズ・オフィス)入試の割合が急激に増えてきた結果、大学入学者の約半数が推薦入試とAO入試を通しての入学者となっている。
推薦入試とAO入試が急増した理由は、大学全入時代に突入したためだ。大学側が早めに合格者を出して、入学者を確保しておきたいという意向が見え隠れする。
したがって、日本の大学受験の対策を考えるとき、年明け(1月~2月)の一般入試で合格を狙っていくのか、それとも夏休み明け(9月~10月)の推薦入試やAO入試で合格を狙っていくのかという2つのルートに分かれる。
15、16歳で文理を決めざるをえない
推薦入試は、基本的には高校の「調査書」が合否を大きく左右する。高校1~3年生の定期テストの成績(いわゆる評定平均)や先生の推薦書などが必要だ。
AO入試は、「自己推薦入試」と称されるものにも近く、志望理由書(自己PR)、面接、小論文などで合否が決まる。
一般入試か、推薦入試か、AO入試か。どの方式を選ぶかによって、生徒の受験のあり方が変わってくる。
いずれにしても、高校3年生の1学期には、どの方式でどの大学を受けるかを決めないといけない。となると、高校3年時の授業の科目登録にも影響してくるので、高校2年生の3学期には、どの入試形態でどの大学を受験するのかなどを決める必要がある。
また、文系、理系のクラス分けが行われるのは、高校2年の4月だから、高校1年生の2学期には、自分が文系か理系かを決めないといけない。
ここでポイントなのは、高校1年生の段階で文理を決めるということだ。高校入試を終えて間もない15~16歳のときである。
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