なぜ羽田空港は「世界で一番清潔」なのか? 清掃スタッフ700人の指導役が語る「秘密」
2016年、羽田空港は英国SKYTRAXの国際空港評価、「ザ・ワールド・クリーネスト・エアポート」部門において1位となった。その羽田空港の清潔さの鍵を握るのは、同空港の清掃スタッフたち。700人の指導職として活躍し、羽田空港内で唯一「環境マイスター」の称号を持ち、『清掃はやさしさ』(ポプラ社)の著者である、新津春子さんにその秘密を語ってもらった。
500人のスタッフが清掃に従事する羽田空港
1日に20万人が利用する羽田空港。国内線の2つのターミナルに加え、国際線のターミナルもでき、空港の規模は年々大きくなっています。3つのターミナルで合計約78万平方メートルと、東京ドーム約17個分に相当する広大な施設です。
この隅々までを清掃するのが私たち清掃スタッフです。第1・第2ターミナルの清掃員はあわせて約500人。清掃員の在籍者数は700人を超え、それぞれのチームに分かれ、シフトを組んで作業をしています。
羽田空港は面積が広いだけでなく、清掃する場所がとにかく多いのも特徴です。空港の清掃というと、洗面所やトイレなどを思い浮かべると思いますが、それだけではありません。
たとえば、リムジンバスで空港ターミナルに到着したら、その降り立った場所からすべてが清掃の対象になります。私たちが「犬走り」と呼ぶ、建物まわりの軒下部分はもちろん、手荷物用のプッシュカート、自動ドア、窓ガラス、外壁……、車路より内側はほぼすべてが守備範囲です。
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