現代人の「買物欲」は、なぜ簡単に流れるのか あの便利ツールが、むしろ「買物ストレス」に
あるモノに対して「欲しい」と思っても、8割近くの人がその買物欲を忘れ、失ってしまう──。今、日本で世代を問わず見られるそんな現象を、私たちは調査によって確認した。そして、その現象に「欲求流去(よっきゅうりゅうきょ)」と名前を付けた。
では実際、買いたいという欲求はどんなきっかけで流れてしまうのか。今回の調査では、欲求流去のきっかけとして考えられる23項目について被験者にアンケートを実施。その中でより共感を得たトップ5を紹介したい(詳細は、欲求流去実態調査にも記載)。
「買物タイミング」をつかみ損ねる現代人
1位:欲しいと思った後、色々な情報に接するうちに、買いたい気持ちが弱まってしまった
もともと情報増によって起こった欲求流去の現象だけに、やはりこの項目がトップに来た。しかし2位以下に目を転じると、直接的な情報だけが原因というわけでないことも見えてくる。
2位:また今度欲しくなったら買おうと思ううちに、買いたい気持ちを忘れてしまった
3位:今この価格でこの商品を買っていいのかどうか、迷ってしまった
なるほど、これらは「買物タイミング」をつかめず先送りすることで欲求流去が起きているパターンだろう。さらには……
4位:本当に自分に役立つかどうか迷っているうちに、買いたい気持ちが弱まってしまった
5位:その商品を本当に欲しいのかどうか、いまひとつわからなかった
と、「モノの必要性」を見極めることが出来ずに、欲求が流去してしまったケースも多いようだ。
整理すると、「過剰な情報」「買物タイミング」「モノの必要性」への迷いが、欲求流去に深く関係していると言えるだろう。ではなぜ、これらの点が重要になるのか。ここからは生活者の声をもとに、もう少し詳しく分析していきたい。
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