「爆買い終了」におびえる店、勝機をつかむ店 本当の“商売人”は石橋を叩いて壊さない
2月8日は春節。中国のお正月に当たる。日本人とは日頃あまり関係のない中国の暦なのに、「爆買い」ブームによって日本でもすっかり定着した。街のショーウインドーには明らかに中国人を意識した飾り付けが施され、家電量販店の店頭には中国語のPOPが踊る。こんな光景は数年前には考えられなかったことだ。
こうした現象に伴い、私は読者やマスコミから頻繁に問い合わせを受けるようになった。中でも最も多いのは「爆買いはいつまで続くのですか?」という質問だ。
爆買いは続く? 不安を感じる企業が多数
現在、爆買いの恩恵にあずかっている企業の中にも「このまま続くのか?」とどこかで不安を抱いているところがあるし、恩恵があまりない企業は「今から対応しても間に合うのだろうか」や「でも、急に中国人は来なくなるかもしれないし……」と躊躇している。
「ずっと続くのなら、中国人相手の商売を始めざるをえないが、やらなくていいのならこのままでも……。実際のところ、どう思いますか?」。中国人を数多く取材している私に対するそんな質問の裏側には、「きっと、そう遠くないうちに『爆買いの終わり』は来るに違いない」という仮定に基づく、消極的な心理が見え隠れする。
「爆買いは終わるのか? 終わらないのか?」という疑問が渦巻く中、中国人対応を果敢に行い、がぜん勢いを増しているのが東京・銀座だ。
2013年秋にラオックス銀座本店ができたのを機に、銀座は「爆買いシフト」に動き始めた。昨年はほぼ毎日、銀座4丁目から8丁目まで通じる中央通りに大型バスが乗りつけ、銀座の風景は様変わりしたが、今年1月末には三越銀座店内に空港型免税店がオープンし、さらにシフトに弾みをつけた。
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