中国人の「爆買い」は、ますます伸びていく 外国人観光客「年3000万人目標」は志が低い

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2016年の訪日外国人観光客数はどうなるのか(ドン・キホーテ新宿店、撮影:尾形文繁)

2015年の訪日外国人(インバウンド)観光客数が2000万人に肉薄しそうだ。目先は中国経済の減速を背景に、目先は先行きについて懸念する向きもある。だが、2016年はむしろインバウンドに対する認識がさらに高まる可能性がある。

観光産業は、自動車産業と同規模のビッグビジネス

新興国の旅行需要は、賃金上昇に伴って着実に増加している。2015年は日用品や高級品を買い漁る、いわゆる「爆買い」に関心が高まったが、今後は消費の裾野も広がっていくと見られる。

観光産業の市場は世界的に見ても大きく、さらに成長している。国連世界観光機関(UNWTO)によれば、2010年に約9億4000万人だった旅行客(観光の人数)は、2020年に14億人、2030年には18億人に達すると試算している。また、観光産業の規模は大手調査機関によると約7兆ドル(840兆円)。これは世界の自動車産業や総合化学産業と同規模といわれるほどのビッグビジネスだ。

しかも観光産業は年率で3%前後の伸びを続けている成長産業だ。アジアに限れば、成長率は5%とされる。今後は特にアジアや中東、アフリカなどの拡大が予想される。新興国に属する国や地域の経済拡大で賃金が上昇し、海外を含む旅行にお金を使えるようになり、市場をけん引していくと見られる。2020年には世界の観光需要の4分の1をアジアが占めるという。

政府は「2020年に訪日外国人客数を年間2000万人に」という目標を立てていた。だが、2015年には2000万人に肉薄しそうだ(1~11月までの累計は1796万人)。次は3000万人を目指すとしている。

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