中国人の「爆買い」は、ますます伸びていく

外国人観光客「年3000万人目標」は志が低い

しかし、世界を見渡せば、ポテンシャルはさらに大きいことがわかる。例えば、世界最大の観光大国・フランスを訪れる旅行客は約8370万人だ。これに対して同国の人口は約6100万人で、実に人口の1.3倍以上の人が年間に同国を訪れているのだ。スペインも同様に1.2倍、イタリアでも約8割に達している。これに対して日本は2014年の1340万で見ると、人口に占める比率は10%強に過ぎない。

観光庁によれば、直近の訪日外国人の旅行支出額は15万円強。日本の定住人口1人分の年間消費(124万円)を、訪日外国人約8人分の消費でカバーできる計算。つまり、訪日外国人が仮に8000万人まで増加すれば、単純計算で日本人1000万人分の消費をまかなえることになる。

日本経済にも、移民受け入れより観光産業強化が効く

これは人口の減少をカバーする有効な手段といえる。人口が減少に向かい、日本全体として個人消費は徐々に増えにくくなっていく。こうした中、海外からのお客さんに、日本に来て国内を旅行してもらい、買い物はもちろん、観光、宿泊などでお金を使ってもらうことで、消費を底上げしてもらうことが重要だ。地方の活性化にも直結する。

日本の人口減、特に生産人口(15歳~64歳)の減少をカバーするには移民の受け入れが必要だとの議論が盛んだ。しかし、仮に移民を受け入れたとしても、移民もいずれ年齢を重ね、社会保障費が必要になる。これよりも旅行客に積極的に日本に来てもらい、どんどん消費してもらう方が、経済の活性化には現実的ではないか。

実際、インバウンドは実際に日本の収益にプラスに働いている。旅行収支(貿易外収支)(=訪日外国人の国内消費-日本人の海外旅行消費)は、2014年4月に、44年ぶりに黒字になった。44年前の1970年は大阪万博が開催された年である。2014年度で見ても、旅行収支は55年ぶりの黒字転換となったが、2015年度の黒字額は1兆円を超えそうだ。

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