中国人の「爆買い」は、ますます伸びていく 外国人観光客「年3000万人目標」は志が低い

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また、中国経済の減速でインバウンドが減少に転じるとの悲観論もあるが、日本を訪れているのは、まだ一部だけである。2014年の訪日数を見ると、中国が約240万人。中国の人口は13億6700万人で、日本に来ている旅行客はたった1.7%に過ぎない。

これに対し、訪日数282万人の台湾の人口は2343万人、韓国が275万人の訪日数に対して人口はざっと5000万人だ。ビザの発給緩和などもあり、日本には来やすい環境も整っている。アジア圏からのインバウンドが減速する可能性は低いといえよう。

進む個人旅行化、地方への恩恵はこれから

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日本に来る旅行客はこれまで、買い物目当てというケースが多く見られている。団体でやってきて、アジアから近い大阪空港、巨大消費地の東京などに到着。バスで移動し、宿泊し、近所のドラッグストアや家電量販店などで「爆買い」というパターンだ。もちろん、こうした流れは今後も継続する公算は大きい。

一方で、インバウンド市場については、急速に個人旅行化が進んでいる点は見逃せない。日本政府観光局によれば、長期の滞在が増加傾向で、アクティビティ(旅行先での体験型レジャー)にも積極的になりつつある。これは日本で近年、LCC(格安航空会社)やクルーズが増えたり、スマートフォンなどSNS普及による情報の拡散などが要因と見られている。

日本の地方では、インバウンドを受け入れるだけのインフラがまだまだ乏しい。この点を政府の後押しなどで改善していく必要もある。東京や大阪圏だけでなく、地方にもインバウンドの恩恵が及べば、雇用など地域経済の活性化につながることが期待される。

和島 英樹 経済ジャーナリスト

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わじま・ひでき / Hideki Wajima

日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社記者を経て、ラジオNIKKEIに入社。2020年に独立。近著に『1万円からはじめる 勝ち組銘柄投資』。

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