液晶製造装置、中国「爆買い」需要の視界不良 旺盛な需要はいつまで続くのか
“爆買い”でにぎわうのは百貨店や家電量販店だけでなかった。今、中国の液晶メーカーは、日本の製造装置を爆買いしているのだ。
その影響はすさまじい。半導体製造装置大手の東京エレクトロンは、好採算の大型液晶パネル用製造装置が急伸。前上期(4〜9月期)に6億円の赤字だった液晶製造装置事業が、2015年度上期に23億円の黒字に転換し、利益率も12.9%と好転した。
ニコンも爆買いの恩恵を受けた。液晶用露光装置(1台15億〜20億円)の販売台数は2014年度の34台から今期は50台まで伸びる見込み。スマホなどに使われる中小型パネル向けの需要が旺盛だ。村松享幸FPD装置事業部長は「今年は2015年より2割ほど拡大する」と一段の成長を見込む。
なぜ爆買いが及んでいるのか?
中国一色に染まったのはSCREENホールディングス(旧大日本スクリーン製造)。2015年7〜9月期の液晶製造装置の受注のうち、8割を中国向けが占めた。そのほか、液晶製造装置中堅のアルバックも中国向けが好調で、7〜9月期の液晶関連の受注は288億円(前年同期は47億円)まで膨れ上がった。
なぜ今、各社に爆買い需要が及んでいるのか。現在、中国では、BOE(京東方科技集団)、CECパンダ(南京中電熊猫信息産業集団)、CSOT(華星光電)、TIANMA(天馬微電子)といった大手液晶メーカーが、能力増強に向けて、新工場を次々と建設している。
2015年だけでも、重慶(BOE)、南京(CECパンダ)、深セン(CSOT)で、テレビ向け大型液晶を扱う8.5世代工場が稼働した。
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