現代人の「買物欲」は、なぜ簡単に流れるのか あの便利ツールが、むしろ「買物ストレス」に
「買い物に関する情報が増加している」とは、これまでも述べてきたことだが、その中でも生活者は特に3つの「情報過多」を顕著に感じており、それぞれからダイレクトに「買物ストレス」を感じているようだ。
実際に寄せられたコメントをもとに検証してみよう。まずは「口コミ・ランキング情報の氾濫による、情報選択のストレス」だ。
私たちの調査では、欲求流去を経験した人のうち6割強が「集めた情報からよいものを見極めるのは難しい」、あるいは「他人の意見やネットの口コミが気になってためらったことがある」と答えている。これがまさに「情報選択のストレス」。大量の情報から正しいものを選ぶことができないストレスと言い換えてもいいだろう。
ここ10年ほどで急速に発展してきた口コミ・ランキングサイトは、特に高額な買い物をする際には欠かせないツールとして、すっかり社会に定着した。だが、今やその数が多すぎることで、生活者はどの情報を信じていいか見極めることができなくなり、逆に買い物に迷うという事態を招いているようだ。
「変化が一目瞭然」であることの功罪
2つ目に見えてきたのは、「商品の価格・スペック変動による、タイミング選択のストレス」だ。
1つ目の「情報選択のストレス」同様、欲求流去経験者の約5割が「いつ買えば損をしないかがわからないことがある」「(量販店か、ネット通販かなど)どこで買えば損をしないかがわからないことがある」と答えている。ネットでの買い物がこれだけ一般化し、いつでもどこでも買い物が出来る昨今。価格やスペックの変動も日々簡単に見えてしまうからこそ、生活者に「買いどき」の迷いが生じている。
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