ちなみに、これらの難関総合大学は、実就職率が飛び抜けて高くないが、大企業の就職者に注目すると、実就職率ランキング上位の一般的な大学と大きな差がある。
慶應義塾大は、みずほフィナンシャルグループ155人、三菱東京UFJ銀行116人、東京海上日動火災保険78人など、前述の著名400社への就職者が卒業生の46・4%に当たる3151人だった。
早稲田大の就職者が多い企業は、三菱東京UFJ銀行126人、みずほフィナンシャルグループ103人、東京海上日動火災保険77人など。同大の著名400社への実就職率は36・1%だが、就職者数は3997人と多い。旧帝大では、大阪大(35・5%)と名古屋大(32%)の著名400社への就職実績が高い。
私立総合大学は金融系に強い
実就職率ランキングに戻ろう。MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)と関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)に注目すると、51位に関西学院大、55位に青山学院大が入るなど、中央大を除く全大学がランクインした。中央大は公務員志望者が多く、受験準備の学生が就職者数にカウントされないことなどが、実就職率が低い要因となっている。
MARCH、関関同立といった私立の総合大学は、銀行や保険などの金融系に強い。15年春の3大メガバンク(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ)の総就職者の内、MARCHと関関同立の卒業生は1400人以上で、総就職者数の3割を占めている。
就職力は大学の人材育成力をみる重要な指標。実就職率や就職先など、多面的な視点から大学の実力を見極めたい。
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