4位の芝浦工業大も、1927年に設立された東京高等工商学校から始まった伝統校。社会で活躍する卒業生との繋がりが深いことから、大企業の就職者が多いことが特徴。15年春に就職者が多かった企業には、JR東日本40人、大和ハウス工業15人、三菱電機12人などがある。
5位の名古屋工業大も名古屋を中心とした大企業に多くの卒業生を輩出している。15年春の企業別の就職状況は、トヨタ自動車24人、デンソー22人、中部電力14人などとなっている。同じ地域にある名古屋大(27位)も大企業に強く、デンソー60人、トヨタ自動車43人、中部電力29人と名古屋工業大を上回る。しかし、名古屋大の卒業生数は名古屋工業大より2倍以上多いので、両校の就職実績は遜色ない。さらに、入試の難易度を勘案すると名古屋工業大は就職面でお得な大学といえよう。
ランキング上位の工科系大学の中で、実就職率と大企業への就職実績のバランスが高次元でとれているのは15位の東京工業大だ。鹿島や旭化成グループ、富士フィルム、神戸製鋼所、トヨタ自動車、日立製作所、三菱東京UFJ銀行、東京海上日動火災保険など、日経225採用銘柄企業や大学生の人気企業を中心に選んだ、著名400社に限定した東京工業大の実就職率は53・9%で、卒業生の2人に1人が大企業に就職しているのだ。ちなみに、10位の一橋大も著名400社の実就職率が57・9%と高い。
昭和女子大は5年連続で女子大トップ
工科系大学以外では、女子大も実就職率が高い大学が多く、昭和女子大(9位)、日本女子大(21位)、東京家政大(28位)、聖徳大(46位)、京都女子大(48位)、椙山女学園大(49位)が50位以内に入っている。中でも昭和女子大の就職力は高く、卒業生1000人以上の女子大の中で、5年連続でトップをキープしている。
総合大学では、前出の福井大や群馬大(7位)、三重大(13位)、名城大(17位)、金沢大(20位)などが上位に入っている。
ただ、上位に難関総合大はない。国立でランキングに入っているのは、27位の名古屋大と86位の大阪大のみ。東北大(126位)、京都大(134位)、北海道大(136位)、九州大(142位)、東京大(162位)といった他の旧帝大は圏外だ。
私立の難関大も、慶應義塾大(107位)、上智大(113位)、早稲田大(121位)は圏外。難関総合大の実就職率が意外に低いのは、国家公務員の受験準備や海外留学、起業など、一般企業の就職にこだわらない、学生の多様性の影響が大きいようだ。
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