忙しい大人に勧めたい、激ウマ「だし生活」 「ビーフジャーキーだし」などどれも簡単!
普段コーヒーを淹れるのに使っているドリッパーは、コーヒーの香りが染みついているので、だし用に新しいものを準備しよう。やり方は簡単。コーヒーと同様にペーパーフィルターをセットし、かつお節を入れて沸かしたお湯をちょろちょろと注ぐだけ。どこのスーパーにも売っている、使い切りのかつお節小分けパック1袋(4.5g)に、お湯150㏄が目安だ。
特におすすめのドリッパーは、ふた付きで蒸らすことのできる「CLEVER(クレバー)」のもの。シャンパンゴールド色の完璧なかつおだしが簡単にとれる。広く普及している、ひとつ穴の「Melita(メリタ)」や三つ穴の「Kalita(カリタ)」のドリッパーの場合は、穴からお湯が流れ落ちてしまうため、削り節よりもかつお粉のほうがしっかり濃いだしがとれるのでおすすめだ。かつお粉も、大抵のスーパーの乾物売場に置いてある。
昆布だしは麦茶ポットで漬けるだけ
昆布だしは、麦茶ポットに1リットルの水と10~20gの昆布を入れ、ひと晩以上冷蔵庫に入れておくだけ。土地によって水質の違いがあるため、関東と関西ではだしの出るスピードが異なる模様。東京在住の筆者の場合は、二晩漬けたほうがしっかりとだしが出るため、いつも二晩漬けている。
昆布の使用量も、昆布の種類や産地によっても異なるため、だし初心者には20gがおすすめだ。ポイントは、かつお節も昆布も使う量をケチらないこと。贅沢にたっぷりと使うことで、顆粒だしや化学調味料に慣れた舌でも、天然だしのうま味やおいしさがはっきりとわかる。この「うま味の成功体験」があると、だしのおいしさにやみつきになり、きっと自分でもだしをとってみたくなるはずだ。それくらい、本物のだしは香り高く、とてもおいしい。
こうしてとったかつおと昆布のだしは、それぞれ単体で使ってもおいしいが、後からMIXして合わせだしにすると、もっとおいしくなる。だし×だしの“ダブルだし”は、誰にでもはっきりわかるくらいおいしくなる。かつお節のイノシン酸×昆布のグルタミン酸を掛け合わせることで、うま味がさらに増す、いわゆる「うま味の相乗効果」によるもので、うま味が2倍どころか7~8倍にも増えるのだ。私は、かつおと昆布だしのほか、干し椎茸や干し貝柱を水に漬けたものを常備し、日々、さまざまなブレンドを楽しんでいる。
かつおや昆布だしは、みそ汁やうどんのつゆなどに使う以外に、温めて飲むだけでもホッとするおいしさだ。お好みで塩やしょうゆを少々入れるだけで、スープのベースが完成する。わたしは、ドリッパーでとったかつおだしを温め、溶き卵を流し入れてかき玉スープにしたり、カブと厚切りベーコンを入れて煮込んだだけの、簡単スープをよく作る。後者の場合はベーコンから塩気が出るので、味付けすら不要。ほんとうに火にかけるだけ。かつおだしも昆布だしも、どんな料理に使ったっていいのだ。和食限定はもったいない。
私は『終電ごはん』(幻冬舎)という料理本も出しているのだが、だしさえあれば、疲れてヨレヨレになって帰宅する終電族でも、心からホッとする夜ごはんが食べられる。コンビニ弁当を買って来たとしても、だしの効いた簡単スープを作るだけで、心の満足感が違うはず。冷蔵庫の昆布だしを電子レンジで温めて、ワカメを入れ、しょうゆ少々で味付けするだけでもおいしいお吸い物ができるので、ぜひ試してみてほしい。
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