「面倒見がよい大学」ベスト100ランキング 金沢工業大学が11年連続でトップを守る

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進路指導教諭の意見を見ても「基礎基本からしっかり教育している」(北海道・道立高)、「入学させた学生を大学の専門教育に耐え得る力をつけている」(群馬・県立校)、「生活面まで見てくれ、学生が入学後伸びる大学」(京都・府立高)、「学生から教員への質問のしやすい環境作りや、自習室の整備が行き届いている」(沖縄・私立高)などだ。

就職に強いのも大きな特徴で、有名企業への就職者が多いことでも知られる。進路指導教諭からは「就職まで面倒見がとてもよく、研究内容も充実している」(愛知・私立高)との声もあがる。大学のさまざまな取り組みは、学生が能動的に活動するためにどうすればいいかということから始まっている。

2位の武蔵大学は“ゼミの武蔵”として知られる。4年間学ぶゼミナール教育に力を入れ、教育力の評価が高い。1年次の基礎ゼミで学生のやる気を引き出し、それを学年が上がっても教員が共有し教育の継続性を重視しながら学生を伸ばしている。大学の規模が小さいこともあり、教員と学生の距離が近く、少人数教育を実践していることも面倒見のよさにつながっている。

入試改革で先行する東北大学

3位は東北大学。東日本では東京大学に次ぐ難関の国立総合大学だ。早くから入試改革を実施し、難関国立大では珍しくAOや推薦入試に力を入れている。同じような入試を東京大や京都大は、今年の入学者から実施しているのを見ても先見性が見て取れる。

AOや推薦入試は、一般入試に比べてはるかに手間のかかる選抜方法で、その点からも面倒見のよさにつながっているようだ。さらに、こういった入試を実施することで、高校との連携が進み、大学の取り組みや方向性を高校の進路指導教諭が、よく理解している面もある。

4位は04年に秋田に開学した公立の国際教養大学で、国際教養学部だけの単科大だ。芸術科目から体育まで授業はすべて英語だ。1年次は全学生が外国人学生と寮生活を送り、さらに1年間の留学が必須。学費の安い公立大ということもあって、秋田にありながら全国区の人気で難易度も上昇中だ。

留学生も多く、図書館は24時間オープンだ。大学のグローバル教育の草分けといっていい。5年かけて卒業する学生も少なくないが、国際系学部全体で実就職率[就職者数÷(卒業生数―大学院進学者数)×100]94・1%は全国トップだ。

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