鉛筆が1本あれば、素敵な笑顔を生み出せる SMAP会見で改めて感じた「笑顔」のパワー

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コミュ力は「鉛筆一本」で鍛えられる?!(写真Miho / PIXTA)

「笑顔」なきSMAP会見の後味の悪さが「おり」のように心に沈殿し、いまだに記憶からぬぐえない筆者である。2分超の映像の中で、メンバーは表情や手のしぐさなど、さまざまなボディランゲージで、言葉では伝えられない多くのメッセージを発信していた。

特に、身体から強烈なメッセージを発信していたのが、中居君。他の4人より高い位置で手を組み、胸を張った姿勢は、「おもねない。屈服しない」という矜持の表れだ。

これがアメリカであれば、多くのボディランゲージスペシャリストが、このしぐさや表情はこういう意味を持っていると、やいのやいのと分析していたに違いない。ほんのミリ秒単位で現れる表情の変化「マイクロエクスプレッション」を読み取る手法を開発した、アメリカの先駆的心理学者、ポール・エクマンの手法で5人を分析してみると、「怒り」「悲しみ」のサインが端々に現れていた。

「笑顔になりたい」と語っていた表情からは……

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あの中で、香取君は「これからは笑顔を作っていきたいと思います」と言いながら、笑顔のかけらもない「死んだ魚のような目」を浮かべていた。皆さんも同じセリフを言ってみるとわかるが、「笑顔」という言葉を、気持ちを込めて発するときには、自然に、顔の表情は緩み、口角も声のトーンは上がるものだ。「笑顔になりたい」と言う言葉と、そんな気持ちのかけらもない感じられない口調と絶望的な表情のかい離の中に、メンバーの相克が痛いほど感じられた。「〇〇〇さんの羊」のように羊は飼い主からは離れられないものなのか。サラリーマン社会の悲哀をまるで、自分事のように感ぜずにはいられない人も多かったことだろう。

さて、その「笑顔」の驚異的パワーについて、前回、たっぷりと触れたが、今回はその後編。笑顔の無限大の力と人を魅了する素敵な笑顔の作り方についてご紹介したい。笑顔には大きく分けて2種類の効果がある。1つ目は笑顔を見せられる側の効果、2つ目は笑顔の本人に対する効果だ。まず、1つ目の笑顔のエクスターナル(外部)効果から。

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