日本人の「プレゼンの常識」は間違いだらけだ

滑舌のよさや美しい声は枝葉末節

心に刺さるプレゼンは「特殊技能」ではありません(写真:kasto / PIXTA)

前回前々回と、トヨタ自動車の豊田章男社長“推し”の記事を書き連ね、その中で、豊田社長の「アツい」プレゼンについてご紹介した。

今回のテーマは、そのプレゼンについてだ。「TED」などでも注目され、そのノウハウは日頃のビジネスの実に様々な場面で活用できる「超お役立ちスキル」。そんなプレゼンの「日本人の常識」は、他の多くの国からみると「非常識」であることが多い点について取り上げてみたい。

その説明に入る前に、筆者と「プレゼン」の関わりについて、お話しさせていただきたい。

メディアトレーニングとは?

新聞記者からPRコンサルタントの世界に飛び込んだ筆者だが、コンサル時代、多く手掛けたのが、メディアトレーニングという仕事だった。トップや経営幹部に対して、メディアのインタビューや会見のシミュレーションをし、その対応方法についてアドバイスをするというものだ。

わざと意地悪な質問をしたり、ひっかけ質問をして、「こういうところに気を付けましょうね」などと講釈を垂れる。そうやって、テクニックとしてのメディア対応術を教えていくうちに、疑問がわいてきた。果たして、こうしたスキルはトップたちのコミュニケーションの本質を改善することに役立っているのだろうか・・・と。

メディア対応スキルが役立つのは一年のうちのあわせてせいぜい数十時間、その他の数百、数千時間は、体系だったコミュニケーションのトレーニングや知識もなく、トップは我流の“コミュニケーション”をやっていくしかない。中にはとんでもない「オラオラ系」もいるし、言語不明瞭系も多くいた。

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