「前の人と違う話し方」をする
魚住:では、春風亭昇太師匠へのみなさんからの質問は、こちらです。
「『相手に話をきちんと聞いてもらう話し方』は、どうすればできますか? たとえば、仕事のプレゼンや、結婚式のスピーチなどで、前の人があまりに上手だと、その後話しづらく、きちんと聞いてもらえません。こういうときは、どうすればいいですか?」
魚住:たしかに、話上手の人は別ですが、口下手な人、話が得意じゃない「普通の人」は、どうすれば「相手に聞いてもらう話し方」をできるのか、悩むところですね。
昇太:そうですね。「相手に話を聞いてもらう」には、「前の人と違う話し方」をするのが大切ですね。たとえば落語の高座でも、「前の人がウケていたから、オレも頑張っちゃうぞ!」とやっても、お客さんは前の人で満足しているわけだから、うまくいかない。「前の人と違う話し方」をするのが、経験上いいように思います。
魚住:「前の人の話し方に引きずられない、あえて話し方を変える」ってことですね。
昇太:そうです。
魚住:「前の人と違う話し方をする」というのは、たとえば前の人が「声の高い人」なら、声をちょっと「低く」「丁寧に」話すとか、そういうことですか?
昇太:それはよくやる手ですね。前の人がウケていたら、テンションを高めに「どうも昇太でーす!」とはやらないんですよ。テンションをわざと低くして入ります。
魚住:「空気を変える」ってことですか?
昇太:そうです。それで「この人は話し方がわかっているなー」と思うのは、「朝まで生テレビ」によく出演している、声が低くて眼鏡をかけた、東大名誉教授の姜尚中さんです。あの人の話し方が「聞かせる話し方」で、ものすごく勉強になると思うんです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら