「グダグダなプレゼン」しかできない人の習性 それは日本人に植え付けられた呪縛だ
「プレゼンがうまくなりたい!」
数百人を前にするような華々しい舞台に立つことはなかなかなくても、ビジネスシーンにおいて「プレゼンテーション」が必要な場面はいろいろとめぐってきます。企画を提案する、成果を発表する、専門分野について講義する――。誰もがカッコよくまとめたいところです。
一方、グローバル・ビジネスの現場において、「日本人ってプレゼンが上手だよね~」という評判を聞くことはほとんどありません。大勢を前にしたプレゼンに限らず、個別ミーティングのような「小さめのプレゼン」の場であっても「なぜか相手に伝わっていないようだ」「刺さっていないようだ」と悩む声をよく聞きます。読者の皆さんも「グダグダだな~」というプレゼンに遭遇することは少なくないでしょう。これはどうしてなのでしょうか?
「幼いころからの日本的教育」に原因がある
筆者は企業向けのプレゼン指導を行っているのですが、その経験から、日本人が「幼いころからの日本的教育」と「古くからの日本文化的背景」という呪縛にとらわれていると考察しています。今回はそのうちのひとつである「幼いころからの日本的教育」に起因した5つの呪縛を解説していきましょう。
文章を書く時、人前で話す時、子どもの頃から聞かされ続けてきた教えが「起承転結に沿っていけ」という教え。これが、どれだけ目に見えない足かせとなっているのか。考えるだけで、教育の威力に身震いします。
言うまでもないかもしれませんが、起承転結とは「文書の書き起こしで読者を話に引き込み(起)、主題を展開し(承)、視点を変えて興味を引き(転)、全体をまとめる(結)。最も基本的な文書の構成方法」(コトバンク)のことです。
さまざまなプレゼン手法の中でも、まさに「起承転結」で伝えたいトピックを物語になぞらえ、伝えたい事柄に相手をぐいぐい引き込んでいく手法も実際にはあります。「ストーリーテリング型」といわれるのがそれです。往々にして最後の最後まで本当に言いたいことを引き延ばし、最後に大ドンデン返し! なんていう話し方がこれに含まれます。このやり方でうまく聞き手を話に引き込めれば、それはそれで、印象に残るプレゼンだったと評価されるかもしれません。
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