「グダグダなプレゼン」しかできない人の習性

それは日本人に植え付けられた呪縛だ

ここはもうちょっと自由に考えたいところです。規律正しいおりこうさんだった時代から抜け出し、もっとリラックスして構えれば、相手の仕掛けてくる技もうまく切り返せる可能性が高まるはずです。

その③「板書は脊髄反射でノートに写せ」の呪縛

授業中、先生が黒板に書き出すと、急にみんなノートを開き、黙々とそれを書き写し始める――。この光景は、平成の今の世でも、筆者がどの学校に授業に行っても見られます。大人対象のセミナーやカンファレンスでも、講師が前でホワイトボードに何かを書き出すと連鎖反応で聴衆がそれを手元に丸写しする、という場面が見られるのが不思議です。

この脊髄反射的行動は、よほど深く体に叩き込まれた呪縛だと、いつも感心しながら見ているわけですが、これは裏を返せば、教育課程において、口頭でなされる話から重要なポイントを抽出してメモを取るという訓練が十分になされないまま社会人になる人が多いということでもあります。

詳細な資料をつくることで陥るワナ

この脊髄反射は、変なネガティブスパイラルを生み出しています。プレゼンする側は聞き手がメモを取らない可能性をも考慮して、話したい事項を丁寧に詳細にスライドに書き込みます。聞き手は、詳細な資料を目で追いながら、「これだけ詳細に書かれていれば帰社後もう一度読めばよいか」という気になり、ますます集中して話を聞かないという状況に陥ります。

そして話し手は、自分が力を込めて作ったてんこ盛りの資料が原因とは夢にも思わず、そんな聞き手の鈍い反応や、(資料に)目が泳いでいる状況を前に、「自分の話が上滑りしているのでは?」と焦燥感でいっぱいになってしまうのです。

もし議論を喚起するようなシンプルな内容で資料を作り、それをもとに話し手も聞き手も自由に話したり書いたりすることを双方が想定していたら、質問点や議論となる点があぶり出され、もっと効果的で建設的なプレゼンになるはず。ただ、実際には、ホワイトボードにやおら書き出すまで聞き手がなかなかペンを取り出さず、前述のネガティブスパイラルによって、プレゼンは話し手からの一方通行のまま終わるケースが多いのです。

まずは、手元資料の文字数を思い切って減らしてみませんか? 同時進行で何かを書きながら話せば聞き手の手と頭が動くのであれば、それを逆手にとってホワイトボードに"お絵かき”しながら話すのも一手かもしれません。

その④「ロジカル・シンキングなんて知らない」の呪縛

「この問題、わかる人~?」「はーい。答えは○○です」「あってまーす」と授業が進行することが多い日本の授業。このような進行であれば、生徒側は論理的に話す必要がなく、先生の側から論理を深めるような問いが発せられることもありません。日本人と話していても「要は何が言いたいの?」と聞かれることも少ないですから、その感覚で話をしていて、外国人に突然、“So what?” “What do you mean by~?” と切り込まれて面食らったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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