昇太:「朝まで生テレビ」って、みんな「うわー」って感じでしゃべっているときでも、姜尚中さんだけは「下から」「ゆっくり」来るんだよね。みんなが言いたいことを言っているときでも、あの人が「いや、それは……」と話し始めると、みんな黙って聞いてしまう。
魚住:確かに、姜尚中さんのあの低音でゆっくり話されると、みんな思わず聞き入ってしまいますよね。
昇太:それを聞くたびに、「あっ、この人はわかっているなー」と思う。もともとそういうトーンの人なんだろうけど、「前の人と違う話し方」をする、「前の人と空気を変える話し方」をするというのは、自分の話を聞いてもらうために、すごく大事なことですね。
話を始める前に「1回息を吸う」大切さ
魚住:今の話は、プレゼンやスピーチで、すごく参考になる話ですね。もうひとつ「スピーチやプレゼンで話を聞いてもらうコツ」があるようなので、それを教えていただけますか?
昇太:「プレゼンやスピーチの上手な入り方」ですね。僕は、位置についてすぐ「どーもこんにちは」って普通に入るのはダメなんですよ。どうするかっていうとね、「1回息を吸う」んです。
魚住:なぜ話を始める前に、1回息を吸うんですか?
昇太:そうすると、実はお客さんも息を吸うんですよ。イメージとしては、指揮者が演奏直前に、指揮棒を構えるような感じです。マイクを持って話をする前に1回息を吸うと、お客さんも息を吸ってくれるので、第一声が「笑い」になったりするんです。
魚住:なるほど。息を吸って吐くときに声が出るから、思わず「あはは」って笑いやすくなるのかもしれませんね。
昇太:そうですね。だから落語をやっている最中も、けっこうそれをやっているんですよ。漫才でいうツッコミのような。落語の場合は、たとえば、ご隠居さんがはっつぁんに向かって「お前バカじゃないか」っていうシーンがあって、そのときに息を吸ってから、「バカじゃないか」って。
魚住:おー!
昇太:すると、お客さんは息を合わせてくれる。ほんと指揮者みたいですね。
魚住:「呼吸を支配する」というのは、一般の人がスピーチやプレゼンをするときも同じで、話す前に「1回息を吸う」ことで、聞き手と息を合せるといいわけですね。
昇太:そう思います。役者さんもけっこうやっている人がいますよ。芝居を見に行くと「この人、しゃべる前に息を吸ってるな」と。
魚住:そうすることで、話をきちんと聞いてくれるし、笑いにつながったりもするわけですね。みなさんもぜひ、「空気を変える」と「息を合わせる」の2つを意識してみてください!
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