日本人の「プレゼンの常識」は間違いだらけだ 滑舌のよさや美しい声は枝葉末節

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トップのコミュ力は企業価値に直結する。トップのコミュ力を上げれば社員の士気も上がるし、会社も元気になる。そして経済も活性化して日本全体が元気になるに違いない・・・そんな思い込みにあおられて、「トップのコミュ力を爆上げします!」というプログラムを作ってみた。

このプログラムは、トップのプレゼンやスピーチをコーチングする、という内容。そこで得たスキルは「1対多」の朝礼、会議、挨拶、商談など、あらゆる場面で365日使える。報道ステーションの古館さんが「パワポを知らない」と発言し、話題になったが、報道出身の筆者にとってパワポもプレゼンも、ついでに言えばエクセルすらも縁遠かった。

しかし、記者時代に培ったコンテンツの目利き力、作成力は生かせるはず、と見切り発車。心理学者の知見も取り入れた新しいメソッドで、劇的に話し手のマインドを変えていこうという試みは当たり、その効果も評価されるようになった。

自信を持てない人の気持ちが痛いほどよくわかる

ここで、またしてもムクムクと疑問と好奇心がわいてきた。「プレゼンの本場、アメリカではどうやって教えられているのだろう?」「日本人の役に立つコミュ術を学んでみたい」

行き当たりばったりに、思いついたらあまり考え込まず行動してしまうO型人間。この連載でもニューヨークでの“修業”の模様をお伝えしてきたが、アクティングスクールに行ったり、ボイストレーニングをやってみたり、お笑いを学んでみたり、いろいろと挑戦をしてみた。

筆者は、めちゃくちゃシャイで、容姿へのコンプレックスも強く、自分に自信のない人間である。人前に出れば緊張するし、プレゼンもそんなにうまい方ではないと思う。いわゆるプレゼン上手の外資系コンサルとか、クリエーティブとかマーケターとかの経験があるわけでもない。

ただ、生まれついての才能があるわけではないからこそ、うまくない人、自信を持てない人の気持ちが痛いほどよくわかる。「どうやったらうまくなれるだろう」ということばかりを考え、「秘策」や「近道」を見つければ、そういう人たちにも役に立ててもらえるかもしれない、と「プレゼンの魔法の方程式」を探し求めてきた。

魔法の方程式なんてあるのか?と思われるかもしれないが、山ほどあるのだ。「コミュ力」がビジネスの生命線と考えられているアメリカでは、その道の専門家は星の数ほどいる。ことビジネススキルの王道とされるプレゼンについては、まゆつば物もあれば、科学的に実証されたものまで、無数のノウハウが存在する。

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