水爆実験にしては震度が小さい
──米国の国防総省と諜報機関は、北朝鮮が水爆実験を行ったか疑問だとしている。こうした判断の根拠となっているものは。
核融合装置を使ったにしては、地震活動の数値がリヒター・スケールでマグニチュード5.1というのは小さすぎるとみている。今後は核融合反応の副産物として検出される粒子を見つけるため、領空侵犯をして調べるなど努力するとしている。
──そうした手法で実験を行った装置の種類を特定できるのか。
地震活動が比較的低レベルだったというだけでは、従来型の核装置以外のものだった可能性を完全に否定はできない。核融合反応の副産物と思われる粒子を検出してこそ、かなり確実なレベルでの判断が可能になる。
また、大きな疑問符がつくのが、北朝鮮は今回の実験で具体的に何を達成しようとしているのかということだ。科学者のコミュニティでは現在、これは二段階の熱核反応実験につながる第一の実験ではないのかとの議論が交わされている。
非常に多くの専門家が、今回の実験で核威力を増大させるために投与された三重水素(トリチウム)についての見解に焦点を当てている。これは、この核融合に到達する水爆構成要素についての本格的な臨床実験に向けて非常に重要な一歩になるだろう。爆発の規模は核分裂反応の数千倍になる。
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