金正恩側近が死去、南北関係はどうなるのか 対南関係責任者の死が与える影響とは?
2015年の年の瀬に、北朝鮮で1人の要人が死亡した。12月30日、北朝鮮の朝鮮中央通信は、朝鮮労働党統一戦線戦部長で対南担当書記の金養建(キム・ヤンゴン)氏が29日朝に交通事故で死亡したと発表した。73歳だった。
金部長は主に南北関係を担当する責任者。2007年9月には同年に行われた2回目の南北首脳会談の前に、事前調整を行うためソウルを訪問したことがある人物だ。金正恩(キム・ジョンウン)政権が本格化して以降は、金第1書記の側近としても知られていた。日本との関係も担当しているとされていた。
韓国との交渉責任者、日本との関係も
葬儀委員会の名簿には党書記を務め、2015年10月に失脚したとされる崔竜海(チェ・リョンヘ)氏の名前があったことから、こちらのほうに大きな関心が集まっている。だが、むしろ金部長が死亡したこと自体のほうが重要だ。今後の南北関係、ひいては日本を含む対外的な関係に支障が出てくる可能性もあるからだ。
金部長は2014年9月に韓国・仁川(インチョン)で開催されたユニバーシアード大会開催中に突然、韓国を訪問したことがある。当時は、国防委員会副委員長の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)氏、国家体育委員会委員長だった崔竜海氏とともに3人で訪韓。北朝鮮選手団の応援が訪韓の最たる理由とされたが、2013年に朴槿恵(パク・クネ)政権が発足して以降、膠着状態に陥っていた南北関係を図るために、韓国国家安全保障室長の金寛鎮(キム・グアンジン)や柳吉在(ユ・キルチェ)統一相(いずれも当時)と会談した。
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