フランスはどうやって少子化を克服したのか なるほど、これなら出生率があがるわけだ
以前は日本と同じように少子化に悩んでいた、フランスの合計特殊出生率は2014年のOECDデータで1.98となっており日本の1.42と大きな開きがでている。本書『フランスはどう少子化を克服したか』は、現地で子育て中の日本人ライターが、少子化を克服したフランスの「5つの新発想」についてレポートしたものだ。この数値だけを指して問題視するつもりはないが、私も現在の子育て環境には窮屈さを感じており、見習うべき点があるに違いないと興味津々で読み始めた。
日本の仕組みの窮屈さをわが身で感じたため
私には、小学校1年生と保育園2歳児クラスの子供がいる。二人とも生後3か月から保育園に通っているが、下の子は昨春、公立の保育園の書類選考にすべてもれた。いわゆる「待機児童」になるかと思われた矢先、安心できる民間の保育園がみつかった経緯がある。保育ママなどほかにも手立てを考えられはしたが、日本の仕組みの窮屈さを我が身で感じたものである。
本書を読むと、フランスの共働き夫婦も、就学までの難局を苦労しながら乗りきっていることがわかる。しかし、そんな苦労も3歳までの期限付きである点や、周囲から「育児なんて親だけでできるわけない!」と温かい目で見られている点など、日本と大きく違う点がたくさんあって、「なるほど、これなら出生率があがるわけだ。」と私は何度もヒザを打った。本書『フランスはどう少子化を克服したか』の内容を俯瞰するために、まずは「5つの新発想」を列挙させていただきたい。
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