フィンランドのワーママに「罪悪感」などない ヘルシンキは夏休みの子どもに「無料で昼食」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
フィンランドのヘルシンキにある「レイッキプイスト」で遊ぶ子どもたち(筆者撮影)

小学生の子を持つワーキングマザーにとって、夏休みは頭が痛い。親のいない日中をどう過ごさせるかを考えなければいけないからだ。学童保育を利用していれば朝から預かってくれ、普段とは違う活動プログラムを組んでくれる場合もある。それでも給食は出ないので、毎日お弁当を持たせる必要があることを負担に感じる親も多い。

フィンランドの親たちも同じような悩みがある。筆者はちょうど夏休みシーズンの6月に首都ヘルシンキを訪れた。案内してくれた外務省の職員は7歳と9歳の子を持つワーキングマザーで、夏休み中は日帰りのキャンプに参加させたり、祖父母の家に行かせたり、時々は自分が仕事を休んだりと、子どもたちの日々の予定を組むのが大変だとため息をついていた。だが、ヘルシンキ市にはそんな親たちにとって心強いサービスがある。それは「レイッキプイスト」で、子どもたちに提供している、無料の昼食だ。

ヘルシンキ市独自の子育て支援

「レイッキプイスト」――、英語に訳すとPlay(遊ぶ) Park(公園)というあまり特徴のない名称だが、現地ではヘルシンキ市が独自に運営する公園のことを指すのだそう。それは日本の「地域子育て支援拠点」と学童保育の機能を併せもったような施設で、児童公園の一角に建物が併設されており、ソーシャルワーカーの資格を持つスタッフが運営している。

普段学校があるときは、午前中は乳幼児向けの遊びのプログラムやその親を対象にした講座を開くほか、親同士が交流したりソーシャルワーカーが親の相談にのる場となっている。午後からは、近くの小学校に通う1年生と2年生を夕方まで預かる。これらのサービスは、午後に提供されるおやつ代以外はすべて無料で提供されている。

次ページ「社会で子育て」の姿
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事